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【小児の便秘】行動認知療法で改善!スムーズな排便習慣を身につける方法

今回は、便秘改善に効果的な「行動認知療法(CBT)」についてお話しします。

 

便秘は、お腹が張る・スッキリしないといった不快感があっても、それが”普通”の状態だと思い込み、気づかぬうちに進行していることがあります。

 

特に小学生以上のお子さんの場合、便秘に自覚がなく、生活の質(QOL)が低下していても気づかないことが少なくありません。ある日、腹痛や食欲低下をきっかけに、実は便秘だったと判明するケースもあります。

 

しかし、こうしたお子さんは、自覚がないために「困っている」という意識が薄く、治療のモチベーションを持ちにくいことがあります。

 

そこで、当院では排便の快適さを評価する基準として「すんなり、しっかり、すっきり」の3Sを重視し、スムーズな排便リズムの確立を目指しています。この目標を達成するための鍵となるのが、「行動認知療法」です。

 

行動認知療法とは?——考え方と行動のクセを見直す方法

 

行動認知療法(CBT:Cognitive Behavioral Therapy)は、考え方(認知)と行動のクセを見直し、良い習慣を身につける方法です。

 

便秘のお子さんに多い「考え方と行動のクセ」には、例えばこんなものがあります。

 

クセ①「トイレに行くのが面倒」→ 排便を後回しにしてしまう

 

クセ②「出なかったらどうしよう」→ 不安になり、力んでしまう

 

クセ③「早く終わらせたい」→ しっかり出る前にトイレを切り上げてしまう

 

行動認知療法では、こうしたクセを前向きな考え方と適切な行動に変えていきます。

 

✅ 「トイレはリラックスできる場所」と考える
✅ 「出なくてもOK!座ること自体が大事」と意識する
✅ 「スッキリ出せた!」という成功体験を味わう

 

排便に対する考え方と行動を少しずつ変えることで、無理なく自然な排便リズムを作ることを目指します。

 

便秘に気づかない子どもへのアプローチ——3つの実践法

 

小学生以上の子どもは、便秘があっても「これが普通」と思い込んでしまい、便秘を自覚していないことがよくあります。そのため、まずは「自分が便秘である」と気づくきっかけを作ることが重要です。

 

実践① カレンダーで排便を記録する

 

毎日の排便状況をカレンダーに記録します。シンプルな3段階評価がおすすめです。

 

すっきり出た(量も十分、お腹もスッキリ)
出たけれど少なかった、スッキリしない
× 出なかった

 

1〜2週間記録を続けると、自分の排便リズムが見えてきます。「◎が少ないな」「×が3日続いている」など、客観的に自分の状態を把握できるようになることが、改善への第一歩です。

 

実践② 家族との会話で排便への意識を高める

 

便秘はデリケートな問題ですが、オープンに話せる環境を作ることで、排便への意識が自然に高まります。

 

おすすめの声かけ

 

✅ 「今日は出た?」と軽く聞く(責めるトーンにならないように)
✅ 「しっかり出たね!スッキリした?」とポジティブに返す
✅ 「今日のうんち、カレンダーに書いておこうね」と記録を促す

 

避けたい声かけ

 

❌ 「また出てないの?」(プレッシャーになり、トイレが嫌になる原因に)
❌ 「ちゃんとトイレに行きなさい!」(命令口調はトイレへの抵抗感を強める)
❌ 「○○ちゃんは毎日出てるよ」(他の子との比較はストレスになる)

 

大切なのは、「排便は恥ずかしいことではなく、体の大事なサイン」という意識をお子さんと共有することです。

 

実践③ 便の状態をチェックする

 

「今日は多かった」「少なかった」と便の量や形を把握し、お腹の状態と照らし合わせてみましょう。

 

「なんとなくスッキリしない…」と感じたときに、実際にどれくらい出たのかを意識することで、自分の排便リズムと体の感覚のつながりを理解しやすくなります。

 

便の形状については、「ブリストルスケール」という7段階の評価基準があります。理想的な便は「バナナのような形で、するっと出る」タイプ。これを親子で共有しておくと、便の状態チェックがしやすくなります。

 

便秘専門外来での継続的なケア

 

便秘専門の外来では、行動認知療法を取り入れながら、一人ひとりに合った排便習慣の確立をサポートしています。

 

✅ 記録を振り返り、排便リズムを分析
「すんなり・しっかり・すっきり」の3Sを基準に、排便の質を評価します。

 

✅ エコー検査で便の溜まり具合を確認
「本当に出せているか?」をお腹の超音波で視覚的に評価します。お子さん自身が「まだ残っていたんだ」と実感できることが、排便への意識を変えるきっかけになります。

 

✅ 定期的なフィードバックで改善をサポート
排便習慣を定着させるため、うまくいっているポイントと改善点を一緒に確認します。

 

まとめ——便秘改善のカギは「意識」と「習慣」

 

便秘を改善するためには、排便への意識を変え、習慣化することが重要です。

 

行動認知療法を取り入れることで、無理なくスムーズな排便リズムを確立できます。当院では「すんなり、しっかり、すっきり」の3Sを基準に、正しい排便習慣をサポートしています。

 

まずは今日からできることを始めてみませんか?

 

✅ 排便カレンダーをつけてみる
✅ 朝食後にトイレに座る習慣をつくる
✅ 「出なくてもOK」のリラックスした気持ちで座る

 

「すんなり、しっかり、すっきり」の3Sを目指し、快適な毎日を送りましょう!

 

便秘治療をもっと知りたい方へ

 

▶ 便秘治療はいつまで?治療のゴールと方針の考え方
治療のゴール設定に悩んでいる方はこちら。3段階のゴールの考え方を解説しています。

 

▶ 食事量が少なくても便秘に注意すべき理由
「食べる量が少ないから便が出なくても大丈夫」は誤解です。排便リズムの作り方も紹介。

 

▶ 酸化マグネシウム(カマ)の安全性について
便秘のお薬を長く飲んでいて不安な方はこちら。

 

「心」と「からだ」の両面からサポートする

 

行動認知療法は、便秘に対する「心」のアプローチです。一方で、「からだ」の面からもサポートすることで、改善がより確実になります。

 

実は、鉄や亜鉛などの栄養素の不足は、集中力の低下やイライラ、疲れやすさとして現れることがあり、これらは排便行動への意欲にも影響します。栄養の土台が整っていると、行動療法の効果もより発揮されやすくなります。

 

当院の分子栄養学外来では、便秘外来と連携し、心身の両面からお子さんをサポートしています。

 

▶ 子どもの不調を栄養で改善|当院の分子栄養学・詳しい治療の流れと費用

 

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小森広嗣|こどもの栄養とお腹の専門医🌱 @KomoriKodomoCL

 

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この記事の執筆・監修者

 

小森こどもクリニック 院長 小森 広嗣(こもり こうじ)

 

慶應義塾大学医学部卒。都立小児総合医療センター外科医長などを経て小森こどもクリニックを開院。小児科医・小児外科専門医として数多くのおなか(消化管)の手術や治療に携わり、「こどものお腹のスペシャリスト」として消化管の構造と機能に精通する。

 

自身や家族の不調が栄養療法で改善した手応えから、「西洋医学だけでは届かない不調」の解決策として「栄養」の重要性を確信。「吸収の場である腸」と「体の材料となる栄養」の両面から、標準治療と分子栄養学を柔軟に組み合わせ、その子の体の土台を根本から整える「統合的な医療」を実践している。日本小児外科学会認定専門医・指導医、医学博士。

 

当院の便秘外来について

 

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