2018年5月23日

「浣腸で出させることに、どうしても抵抗がある」「ずっと浣腸をしていて、自分で出せるようになるイメージが持てない」。便秘外来で、とてもよくいただくご相談です。
そんなとき、当院ではいつも、ひとつのたとえ話をします。自転車の「補助輪」の話です。
自転車に乗れるようになるまでを、思い出してみてください
自転車に乗れるようになるとき、最初は補助輪を両側につけて練習します。慣れてきたら片側だけにして、やがて補助輪を外し、お父さん・お母さんが後ろで支えて——そっと手を離すと、気づけば一人で乗れるようになっている。
便秘の練習も、まったく同じです。グリセリン浣腸は、この「補助輪」なのです。補助輪をつけて練習したから乗れなくなった、という人はいません。補助輪は、自分の力で走れるようになるまで支えてくれる道具です。
「両輪」から「片輪」へ、そして「補助輪とお別れ」へ
自分の力でしっかり出せないうちは、まず浣腸という補助輪をつけて、毎日決まったリズムで、しっかりした量のうんちを確実に出すことから練習を始めます。
・ 両輪:毎日の浣腸で、出し切る練習を続ける時期
・ 片輪:自分でしっかり出せる日が出てきたら、その日は浣腸をお休み。出なかった日だけ浣腸をする時期
・ 補助輪とお別れ:自分の力とペースで出せるようになったら、浣腸は卒業
「片輪」に進むかどうかは、排便の記録やエコーで直腸の様子を確かめながら、慎重に決めていきます。うまく回らなければ、いったん「両輪」に戻して大丈夫です。それは後戻りではなく、その子に合うペースを探している途中なのです。
自転車よりも、ずっと長い時間がかかるからこそ
正直にお伝えすると、便秘の練習は、自転車よりもずっと長い時間がかかります。数か月のこともあれば、何年もかかることもあります。根気が要る道のりです。
だからこそ、自分の力で出せるようになったときの「やった!」は格別です。浣腸を「パートナー」として、気長に練習を続けていきましょう。便秘外来では、お子さんがうんちに自信を持てるようになるまで、一緒に伴走します。笑顔で「出せたよ」と報告してもらえる日を、当院も楽しみにしています。
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「うちの子はどうだろう」と確かめてみたい方へ
「浣腸をいつまで続けるのか見通しが持てない」「補助輪をどう外していけばいいのか分からない」ときは、お一人で抱え込まずにご相談ください。当院の便秘外来では、小児外科専門医が、エコーで直腸の様子を確かめながら、補助輪の外し方と、そこまでの見通しを一緒に考えます。遠方の方の受診の窓口も、下のページにまとめています。
ご予約は、当院ホームページの予約システム(デジスマ診療アプリ)から承っています。
すでに通院中の方へ:「片輪」に進めるかどうかは、次の診察で排便の記録を見ながら一緒に決めましょう。
浣腸の使い方を、もっとくわしく知りたい方へ。 便秘専門サイトに、グリセリン浣腸の安全性(「おしりの傷から成分が入ると危ない」という誤解)と、痛くないための3つのコツをまとめた詳しい解説があります。
👉 【小児外科医解説】子どもの便秘とグリセリン浣腸|「傷から入ると危険?」の誤解と、痛くない正しい使い方
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小児外科医 小森広嗣🩺栄養×お腹 @KomoriKodomoCL
この記事の執筆・監修者
小森こどもクリニック 院長 小森 広嗣(こもり こうじ)
小児外科専門医・指導医、医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、東京都立小児総合医療センター外科医長などを経て、小森こどもクリニックを開院。小児外科の出身として、いまは地域の中で、お腹と栄養の外来を深く追求している。
「成長の感動や喜びをお子さん・ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育てができる社会を創る」ことを自身のビジョンとし、診療と情報発信の両輪で活動している。
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