お腹系(便秘、腹痛など)
お腹系(便秘、腹痛など)

おなかのトラブルは、お子さんが最もよく訴える不調のひとつです。「お腹が痛い」と泣く姿や、何日も出ない便秘など、保護者の方にとっても心配が尽きませんよね。
当院では、小児外科専門医として年間5,000組以上の便秘診療を行ってきた「お腹の専門家」が、症状の原因を丁寧に見極めながら診療しています。
お腹の不調は、それ自体がつらい症状であるだけでなく、栄養が体に届かなくなる原因にもなります。腸の調子が悪いと、どんなに良いものを食べても消化・吸収がうまくいきません。「疲れやすい」「集中力がない」「朝起きられない」といった一見お腹と関係なさそうな不調の背景に、慢性的なお腹のトラブルが隠れていることもあるのです。
よくあるおなかの症状と、当院での治療方針をまとめました。
「たかが便秘」と思われがちですが、放置するとお子さんの心や体にさまざまな影響を及ぼします。「出すと痛いから我慢する→腸内で便の水分が吸収されてさらに硬くなる→もっと痛くなる」という悪循環に陥りやすいのが、小児の便秘の特徴です。トイレトレーニングがうまくいかない原因になっていることもあります。
まずは痛みのないエコー検査で、お腹にどれくらい便がたまっているかを確認します。浣腸でスッキリ出し切ってリセットした後、便を柔らかくするお薬(モビコールなど)を使い、「痛くなく、気持ちよく出せる」成功体験を積みながら、排便習慣を整えていきます。
慢性的な便秘は腸の消化・吸収力を低下させ、栄養不足の原因にもなります。便秘の治療がきっかけで、疲れやすさや集中力の低下が改善するお子さんも少なくありません。
当院の便秘治療について、詳しくは便秘外来のページをご覧ください。
ノロウイルスやロタウイルスなどの感染性胃腸炎が主な原因です。冷たいものの飲みすぎや、特定の食べ物が合わずに下痢をすることもあります。
下痢は、体の中の悪いウイルスや細菌を外に出そうとする防御反応でもあります。強い下痢止めで無理に止めるのではなく、整腸剤で腸内環境をサポートしながら回復を待ちます。最も大切なのは脱水を防ぐことです。経口補水液の飲ませ方や消化の良い食事についても丁寧にお伝えします。
原因は多岐にわたります。最も多いのは便秘や胃腸炎ですが、中には急性虫垂炎(盲腸)や腸重積といった、緊急の手術が必要な病気が隠れていることもあります。小学生以降では、ストレスによる過敏性腸症候群もよくみられます。
問診やお腹の触診に加え、必要に応じてエコー検査を行い、痛みの原因を正確に診断します。小児外科専門医として、「手術が必要な腹痛かどうか」を見極める目を持っていることは、当院の大きな特徴です。便秘なら排便処置、感染症ならお薬、心因性であれば環境調整や漢方薬など、原因に応じた対応を行います。
お腹がぽっこり張って苦しそうにしている、おならが多い——こうした症状の背景には、腸内にたまった便やガスがあることがほとんどです。便秘が慢性化しているサインでもあります。
エコー検査で腸の状態を確認し、便やガスが大量にたまっている場合は浣腸で排出を促します。日常的に張りやすいお子さんには、食生活のアドバイスや便通を整えるお薬で、ガスがたまりにくい腸内環境づくりをサポートします。お腹の張りが続いている状態では栄養の吸収も妨げられるため、腸を整えることは全身の健康の土台にもなります。
コロコロとした硬い便が出る、排便のときに顔を真っ赤にしていきんでいる——これは「隠れ便秘」の初期サインです。水分や食物繊維の不足、遊びに夢中でトイレを我慢するクセなどが原因になります。
放っておくと痛みを伴う重度の便秘に進行し、悪循環に陥るため、早めのケアが大切です。食事の改善(水分、野菜、水溶性食物繊維)を指導するとともに、必要に応じて便を柔らかくするお薬を処方します。
お子さんの血便で最も多いのは、硬い便で肛門が切れてしまう裂肛(切れ痔)による鮮血です。ただし、イチゴジャムのようなドロッとした血便(腸重積の疑い)、下痢に血が混じる場合(細菌性腸炎)、乳児ではミルクアレルギーが原因のこともあります。
裂肛が原因であれば便秘の治療で改善します。腸重積や感染症など緊急性のある疾患が疑われる場合は、エコー検査を迅速に行い、原因に応じた治療や高度医療機関へのご紹介を速やかに行います。
肛門のまわりが赤く腫れて膿がたまる「肛門周囲膿瘍」は、生後1か月〜1歳ごろの赤ちゃんによくみられる病気です。珍しいものではありませんが、良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多く、ご家庭での対応に悩まれる方が少なくありません。
膿がたまっている場合は排膿処置を行い、患部を清潔に保つケアを指導します。多くは2歳ごろまでに自然に落ち着きますが、繰り返す場合や広がりが気になる場合はご相談ください。小児外科専門医が、手術が必要かどうかも含めて丁寧に判断いたします。
赤ちゃんのうんちの色は日によって変わることがありますが、白っぽい便やクリーム色の便が続く場合は注意が必要です。胆汁の流れが悪くなる「胆道閉鎖症」という病気の可能性があり、早期発見・早期治療が極めて重要です。母子手帳の便色カードと見比べてみてください。
緑色の便は多くの場合心配ありません。ただし、色の変化が気になるときは写真を撮ってお持ちいただくと、診察がスムーズです。胆道閉鎖症は小児外科の手術で治療する病気であり、当院では小児外科専門医の視点から迅速に判断いたします。
赤ちゃんは胃の形が大人と異なり、ゲップと一緒にミルクを吐き戻しやすい構造です。機嫌がよく体重が順調に増えていれば、心配のないことがほとんどです。ただし、噴水のように勢いよく吐く、胃腸炎で繰り返し吐く、周期的に嘔吐を繰り返す(周期性嘔吐症)場合は治療が必要です。
病的な嘔吐の場合は吐き気止め(坐薬など)を使い、胃腸を休ませながら少しずつ水分を摂る方法をご指導します。脱水が強い場合は点滴を行うこともあります。生理的な吐き戻しの場合は、授乳後の姿勢や授乳量の調整をアドバイスします。
風邪のときに一時的に食欲が落ちるのはよくあることです。しかし、「元気なのに食べない」「特定のものしか食べない」という場合は、お腹に便がたまって物理的に食べられないケースや、鉄・亜鉛などの栄養素の不足が味覚や食欲に影響しているケースがあります。
便秘が原因であれば、お腹の張りをとるだけで驚くほど食べるようになることがあります。栄養素の不足が疑われる場合は、血液検査で状態を確認し、食事指導やサプリメントでサポートすることも可能です。
食欲や偏食と栄養の関係について、詳しくは栄養外来のページをご覧ください。
お腹のトラブルは、お子さんの成長や日々の生活に直結する大切なサインです。そして、お腹の不調が長引くと、栄養の消化・吸収がうまくいかなくなり、疲れやすさ、免疫力の低下、肌荒れ、集中力の低下など、全身にさまざまな影響が出てくることがあります。
当院では、お腹の症状を治すだけでなく、「栄養がきちんと届く体」を取り戻すことまでを見据えて診療しています。お腹の治療を進める中で栄養状態の問題が疑われる場合には、当院の栄養外来と連携しながら、お子さんの体の土台を根本から整えるアプローチもご提案しています。
特に便秘は、放置するほど治療に時間がかかります。小さな症状でも、早めにご相談いただくことが改善への近道です。気になることがあれば、いつでもご相談ください。
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