2018年7月08日

力が強くなって、暴れて浣腸液が入れられない。押さえつけてやったものの、なんだか気持ちがつらく、後味が悪い。やったほうがいいのは分かっている。でも、この先ずっと続くのかと思うと、ゴールが見えなくて不安ばかりが募る——。
特に2〜3歳ごろ、イヤイヤ期のまっただ中のお子さんのご家族から、とても多くいただくご相談です。これまで順調に浣腸でリズムが作れていたお子さんでも、この時期には今まで通りにいかなくなり、大きな壁を感じることがあります。
結論 — 心が折れそうでも、浣腸は続けたほうがよいのです
重い便秘のお子さんにとって、浣腸でリズムを作る練習は、治療の土台です。溜めない・出し切る毎日を続けることで、伸びてしまった直腸が少しずつ引き締まり、自分で出す力が育っていきます。イヤイヤ期に練習が途切れると、また溜まる状態に戻ってしまうことが少なくありません。
だからこそ、迷わず続けて大丈夫です。大切な練習をしているのですから、自信をもって向き合ってください。
嫌がる時間を短くすることが、いちばんの優しさ
「やる」「やらない」の問答が30分も続くと、親も子も消耗してしまいます。便秘外来でいつもお伝えしているのは、「嫌がる時間を短くすることが、本人へのいちばんの優しさ」ということです。
準備が整ったら、ためらわずにさっと行う。入れてしまえば、本人もケロッとして「すっきりした」という体験に変わることがほとんどです。説得に30分かけて結局やるより、さっとやって5分で終わるほうが、本人の負担はずっと少ないのです。
姿勢も、教科書どおりでなくてかまいません。仰向けでも、お父さん・お母さんの膝の上でうつ伏せでも、お子さんが少しでも落ち着ける形を探してみてください。注入したあとの我慢は、30秒〜1分で十分です。
本人は、やがて受け入れてくれるようになります
押さえて浣腸をしなければならない時期は、たしかにあります。それでも子どもは、これが自分に必要なことだと、少しずつ分かってくれるものです。「入れて5分で終わる」「出たらすっきりする」という確かさが、安心につながっていきます。
最初は嫌がっていた子が、しばらくすると自分から浣腸を持ってきて「して!」と言うようになる。半年ほどで「すっきりするから、嫌いじゃなくなった」と話してくれる。そうした変化は、便秘外来では珍しくありません。
ゴールは、自分の力で出せるようになること
今はまだ、自分の力だけでは出し切れない時期です。だから、浣腸の力を借りて、しっかり出すことをくり返し練習する。これを続けるうちに出す力が鍛えられ、自分でいきんで出せる日が増えていきます。
嫌なことにも向き合う力、毎日続ける根気、体の声を聴く習慣——便秘の練習を通して、親子で一緒にそれを身につけているのだと考えています。当院の院長も、親として、わが子の排便の練習に向き合ってきた一人です。苦しい時期を乗り越えるのは、ご家族だけではありません。自立に向かって、一緒に練習を続けていきましょう。
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「うちの子はどうだろう」と確かめてみたい方へ
「嫌がって浣腸ができない」「このまま続けていいのか分からない」と迷ったときは、お一人で抱え込まずにご相談ください。当院の便秘外来では、小児外科専門医が、今の排便の様子とご家庭の状況をうかがい、続け方の工夫と、自分で出せるようになるまでの見通しを一緒に考えます。遠方の方の受診の窓口も、下のページにまとめています。
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小児外科医 小森広嗣🩺栄養×お腹 @KomoriKodomoCL
この記事の執筆・監修者
小森こどもクリニック 院長 小森 広嗣(こもり こうじ)
小児外科専門医・指導医、医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、東京都立小児総合医療センター外科医長などを経て、小森こどもクリニックを開院。小児外科の出身として、いまは地域の中で、お腹と栄養の外来を深く追求している。
「成長の感動や喜びをお子さん・ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育てができる社会を創る」ことを自身のビジョンとし、診療と情報発信の両輪で活動している。
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