🔹肘の脱臼は頻度の多い子どものけがです
お子さんが手を引っ張られた後などに、痛がって腕を下げたまま、動かさなくなることで発症します。
・突然道路に飛び出しそうになり、手をつかんで引っ張った
・遊んでいて不意に手をついた
・赤ちゃんが寝返りをしたあとから腕を動かさなくなった
という経過で発症することが多いです。
🔹原因は?
肘の靱帯から肘の外側の骨(橈骨頭)が「はずれかかる」ことによって起こります。
2~6歳の子どもに多いのですが、そのなかでも、「なりやすい子」というのはいます。
ただし、「なりやすい子」も骨格が発達するにつれ、起きなくなっていきます。
🔹診断は?
多くは、発症までのお話から「肘がはずれている」ことを疑うことができます。
更に、視診、触診で肘や腕が腫れていないかチェックして診断します。
🔹症状は?
・腕を下げていれば痛みが治まることも多く、腕をだらんと下げて動かさないでいる場合があります。これは、治っているわけではありません。
・腕をあげる=バンザイをしようとすると嫌がる、痛がる場合には、肘がはずれた状態が続いているサインです。
・また、腕を上げようとすると泣き叫ぶほど、傷みが激しい場合がありますが、骨が折れているわけではありませんので大丈夫です。
ただし、なるべく早く処置をして戻してあげたいです。
🔹治療は?
・整復(せいふく)を行います。整復とは、外れかかった肘を、もとに戻す処置です。
(※当院で治療いたします。)
・ひじの関節をねじることで、コクッという音がして肘が戻ります。痛みも瞬時になくなるので、大泣きしていたお子さんもすぐに、動かせるように=バンザイできるようになります。
※高いところから落ちたり、強くぶつけた場合、特に腫れが強い場合は、手、肩などを含めた骨折の可能性もあります。受傷起点や経過から骨折が疑われる場合には整形外科の受診が必要となります。
🔹その後の生活は?
・整復の後は、いつもと同じように腕をつかって大丈夫です。
・ただし、手を引っ張られることによって繰り返しやすい場合がありますので、なるべく優しく手をひくようにはお願いします。
・ただし、注意して手をつないでいても、わずかな力で簡単に抜けてしまうお子さんもいらっしゃいます。
・防ぎようがないことも多いのも事実なので、その都度整復をしていくことで対応せざるを得ない場合もあります。
・いずれも、小学生くらいになると、関節や靭帯が強くなり、起こりにくくなります。
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小森 広嗣
小森こどもクリニック院長
日本小児外科学会 小児外科専門医
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慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。