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小児アトピー性皮膚炎とは -赤ちゃんの肌のお手入れ(スキンケア)の考え方-

アトピー性皮膚炎とは

良くなったり悪くなったりを繰り返し、掻痒(かゆみ)を伴う湿疹の病気です。繰り返し湿疹が起こりますので、長期的な治療が必要です

アトピー性皮膚炎は、遺伝的側面、アレルギー的側面、非アレルギー的側面など色々な要因が絡み合って、皮膚のバリア機能の異常をきたし発症すると考えられています。

すなわち、アトピー性皮膚炎はバリア機能の低下による病気、という考え方もできます。

バリア機能とは、

主に、皮脂膜(油分)と角層による外界の刺激、異物、微生物からの防御機構です。
特に赤ちゃんにおいては、バリアはとても弱い(0.01-0.02mm)ので、
容易に破綻し、外部からの刺激を受けてしまいます。

バリア機能が破綻すると、
ダニやホコリ、細菌などが侵入し、皮膚が傷み、湿疹の状態になっていきます。
この慢性の湿疹状態が続くと、アトピー性湿疹の状態へと進展していくと考えられています。
さらには、傷んだ皮膚から食物抗原が入り込み、経皮感作により食物アレルギーや
気管支喘息の発症のリスクが上がる
とも考えられています。

特にアトピー素因を持っているお子さんの場合には、
生まれつき普通の人よりバリア機能が弱いため、
アトピーを発症するリスクが更に高いと言えます。
これは皮膚のバリア機能に関係するフィラグリンという遺伝子の異常があるためで、
角質細胞に含まれる天然保湿因子を作る役割りを持っています)
普通の赤ちゃんに比べ、更に皮膚のバリア機能が弱くなっていて、
アトピーを「より発症しやすい体質」であると言えます。

以上から、アトピー素因のあるお子さんはもちろんのこと、
生後すぐの赤ちゃんにおいても、お肌はとても弱く、傷みやすいものであると捉え、
積極的に、保湿剤を用いてのスキンケアを行い、
バリア機能をサポート
していくことが大事だと考えています。

そうすることでアトピー性皮膚炎の発症を低下させることができ、
また仮に発症しても、コントロールがよい状態が保て
生活の質を損なうことがないと考えています。

新生児期には脂漏性湿疹を経験する赤ちゃんも多いですが、
脂漏性部位も生後2ヶ月を過ぎてくると、あっという間に乾燥した皮膚へと変化していきます。
カサカサして痒がっている様子があれば早く介入していきたいと考えます。

実は、脂漏性部位以外の皮膚は皮脂量は少なく、
生後すぐから皮膚の乾燥が始まっている場合もありますので、
脂漏性湿疹があっても、保湿剤を用いてのスキンケアは行なっていくのがよい
と考えています。

結論は、
生まれてすぐから「スキンケア」を行なっていきましょう
できれば、「カサカサになる前」から開始したいですね。
クリニックでも一緒にやり方を学んでいただけるよう工夫して参ります。

今後は、

アトピー性皮膚炎についての各論をシリーズでお話ししていきます。

次回は、アトピー性皮膚炎を疑う「皮膚初見」や「診断」についてお話ししていきますね。

院長 小森 広嗣
記事監修
院長 小森 広嗣
(こもり こうじ)

慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士

小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。

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