だんだんと日差しが強くなり、汗ばむ季節となってきましたね。これからの季節は、虫刺されの相談をよく受けます。そこで、今回は虫よけについてご紹介したいと思います。
虫よけと言っても市販で販売されているものには、いろいろなものがあります。虫よけの主な成分には、ディート、イカリジン、レモンユーカリオイルの3つがあります。
ディートは昔から使われている虫よけで、最も普及している虫よけです。蚊が嫌がる成分で、塗った部分には蚊がとまれないので刺すことができません。ただし、ディートを塗っていないところには、蚊がとまるため、まんべんなく塗るとより高い虫よけの効果を得ることができます。
ディートは成分濃度によって使用に際して年齢制限があります。
✔️ディートの濃度が12%以上30%未満
✔️ディートの濃度が30%以上
イカリジンは2015年から日本で使われるようになった虫よけです。イカリジンはディートと違って、効果のある虫の種類は少ないですが、小児への使用制限がなく、ディートと同様の効果が得られると言われています。また、匂いが少なく皮膚へ刺激が少ないこと、プラスチックや繊維を傷めないこともイカリジンの利点です。
天然由来の成分の中で効果が確認されているものは唯一、レモンユーカリ油のみです。アメリカ疾病予防管理センターでも推奨されていますが、3歳未満のお子さんへは刺激が強いとして使用は推奨されていません。
上記のように、虫よけを使う場合は、配合されている成分や濃度に注意する必要があります。もし、子どもや赤ちゃんへディートを配合した虫除けスプレーを使用することが心配な場合は、イカリジンを配合した虫除けスプレーを選びましょう。
とくに、肌が弱くデリケートなお子さんには、ディートやイカリジンの配合量がなるべく少ないものを選び、使用回数も減らして使うことをおすすめします。
虫よけを初めて使用する場合は、肌への刺激を確認するために軽く虫よけを付けて1時間程様子を見て皮膚に変化がないかを確認することもおすすめです。
虫刺されは刺された虫の種類や症状によっては、腫れたり、掻きむしったりすることで「とびひ」になることもあります。刺された部位が赤く腫れあがったり、水ぶくれのような状態になる、市販のお薬を塗っても症状が治らないなどの異変を感じたときは、すぐに小児科を受診しましょう。
慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。