★喘息の治療の重要な柱の一つとして、ステロイド吸入薬による治療があります。
気管に慢性的な炎症(気管の粘膜がただれている状態)が起きていて、咳やゼイゼイがとても起きやすい状態、すなわち気管が敏感な状態になっていいます。
吸入ステロイドは、このような慢性的にただれた気管粘膜に直接作用して、炎症を沈めてくれます。一定期間、しっかり吸入することで、徐々に炎症、ただれが静まり、発作が起きない状態に改善していきます。
★大事なことは、確実に気管粘膜に薬が届くように、正しく吸入を行えるようにすることです。
自宅で行う方法として、お子さんでも、定量噴霧式吸入器(pMDI:スプレー式の吸入器)を処方るすことが多くなっています。この方法は、吸入器のボタンを押すと、薬液が「シュッ」とスプレーのように一瞬ででてくるので、この発射タイミングに合わせて、呼吸をうまく調整して吸わなければなりませんので、特に5歳以下のお子さんでは難しいことが多いのです。
このため、お子さんがpMDIを使用する場合は、「スペーサー」という筒を用いる必要があります。スペーサーを使うことで、確実におくすりが吸入できますので、特に5歳以下のお子さんの場合にはスペーサーを使用しての吸入が必要となる場合が多いです。また、5歳以上のお子さんでも、吸入力が不安な場合にはスペーサーを積極的に使用をすることがおすすめです。ただし、スペーサーを使用するには、実費購入が必要となります(約2千円)。
★お子さんに確実に吸入を行っていただけるように、参考となる動画サイトがありますので、繰り返し何度も見て身につけていきましょう。
★【参考動画】pMDI+スペーサー(マスクタイプ)の使い方
★【参考動画】pMDI+スペーサー(マウスピースタイプ)の使い方
慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。