くり返す子どもの腹痛|小児外科専門医が伝える受診の目安|小児科|栄養外来・便秘専門外来なら小森こどもクリニック|根本治療に対応

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くり返す子どもの腹痛|小児外科専門医が伝える受診の目安

くり返す子どもの腹痛|小児外科専門医が伝える受診の目安|小児科|栄養外来・便秘専門外来なら小森こどもクリニック|根本治療に対応

2026年8月23日

くり返す子どもの腹痛|小児外科専門医が伝える受診の目安

大きな手術が必要だったお子さんが、お腹の痛みをほとんど訴えていなかった。 ——大学病院や小児専門病院に勤めていたころ、何度も経験したことです。

「また、お腹が痛いって言ってる」。何度もくり返されると、心配になりますよね。大きな病気が隠れていないか。病院に連れて行くべきか。それとも様子を見ていいのか。

痛みの強さと、病気の重さは、実はあまり連動しません。 だからこそ、痛がる回数だけで判断せず、別のところを見る必要があります。

この記事では、①急がなくてよいのはどんなときか ②受診してほしいのはどんなときか ③では、なぜ痛むのか ④おうちで何ができるのかを、順にお伝えします。読み終えるころには、お子さんのお腹に何が起きているのか、見当がつくようになっているはずです。

いちばん心配なことから、お答えします

はじめに、多くの親御さんがいちばん知りたいことにお答えします。

「お腹が痛い」がくり返されるとき、その多くは、命に関わる病気ではありません。

お腹の病気には、大きく2つの種類があります。

「くり返す痛み」の背景に後者が見つかることは、長い臨床経験のなかでも、ごくわずかです。ですから、まず必要以上に怖がらなくて大丈夫です。

急がなくて大丈夫なとき

医師の記事は「こういうときは受診を」ばかりになりがちですが、ご家庭が本当に知りたいのは、その逆ではないでしょうか。次のような様子であれば、あわてなくて大丈夫です。

これらが揃っているとき、お腹は「今すぐ手を打つべき状態」ではないことがほとんどです。まずは深呼吸して、この記事の続きを読んでみてください。

ただし、この「サイン」があるときは受診を

そのうえで、次のサインがあるときは、経過観察ではなく診察を受けてください。

ポイントは、一回の症状よりも「変化」です。体重が減ってくる、食欲が落ちてくる——そうした時間のなかの動きが、大切な手がかりになります。

では、なぜ痛くなるのか — 腸は、体でいちばんハードな職場です

検査で異常がないと、「気のせい?」と思ってしまいがちですが、それは違います。お子さんが感じている痛みは、本物です。

考えてみてください。腸は、食べたものを消化・吸収しながら、外から入ってくる異物と戦い、何兆もの腸内細菌とバランスを取り、免疫の最前線として体を守っています。体のなかで、いちばんハードな仕事をしている場所なのです。

これだけ働いている臓器ですから、疲れもすれば、敏感にもなります。お腹が痛くなるのは、腸がそれだけ働いているからです。 痛がるのは、お子さんが弱いからではありません。

とくに、進級・進学の4月、連休明け、季節の変わり目には、お腹の相談が目立って増えます。腸は環境の変化を敏感に受け取る臓器だからです。

見落とされやすいのが、便のことです

もうひとつ、お伝えしておきたいことがあります。くり返すお腹の痛みの原因が、腸にたまった便だった——これは、とてもよくあります。

ここで多くのご家族が誤解されるのが、「毎日出ているから、便秘ではない」という点です。実際には、毎日出ていても、出口の近くに少しずつたまり続けていることがあります。

この状態のときに、腸によいと言われる食べものを足すと、かえってお腹の張りや痛みが強くなります。 渋滞している道路に、車を足すようなものだからです。

まず、たまっているものを出す。足すのは、そのあとです。

ですから診察では、お腹の痛みと一緒に、便の状態も必ず確認します。もし便秘が主な原因だと分かった場合は、便秘外来でしっかり治していくほうが近道になります。

👉 便秘専門外来のご案内

おうちでできること —「お腹と相談する」

では、どうすればよいか。カギは、何かを禁止することではなく、お腹と相談することです。

病気ではなくても、消化に負担のかかるものが続くと、腸はそこでひとりで頑張り続けて、疲れてしまいます。誰にでも、そういう食べものがあります。「食べてはいけない」ではなく、その日のお腹と相談しながら食べ方を決める——大人が自然にやっていることを、お子さんのお腹にもやってあげてほしいのです。

💡 なぜ「足す」より先に「引く」なのかは、こちらで詳しくお伝えしています。
👉 腸と栄養の悪循環 — 食べているのに足りない、が起きる理由

それでもくり返すとき — 腹痛外来のご案内

当院では、くり返す・長引くお腹の痛みを専門に診る「腹痛外来」を設けています。

診察では、事前のWeb問診をしっかり読み込んだうえで、おなかをしっかりと診察します。

実は、多くの場合はここまでで大まかな見当がつきます。 痛み方と経過に加えて、体重の伸び、ふだんの食事や生活のリズム、便の状態——これらを合わせて見ると、いまお腹に何が起きているかは、かなりの部分が読み取れるからです。ですのでWeb問診は、分かる範囲でかまいませんので、できるだけ詳しくご記入ください。 それが診察のいちばんの材料になります。

そのうえで、さらに確認が必要と判断したときに、腹部エコーや血液検査を行います。すべての方に行うものではありません。また、その日の状況によっては、日を改めてお受けいただくこともあります。

こうして確認をしたうえで、多くのお子さんは、お薬とおうちの工夫で少しずつ落ち着いていきます。

血液検査は、栄養外来でご案内しています

お腹の痛みで血液検査を考えるとき、私たちが見たいのは「病気がないこと」だけではありません。

消化や吸収がうまくいっているか。腸の粘膜が弱っていないか。体を作る材料が足りているか。 ——お腹の働きそのものを、栄養の視点から見ていきます。痛みの背景を、もう一段深く見る、ということです。

これは腹痛外来の枠の中では扱いきれませんので、日を改めて、栄養外来でお受けいただく形にしています。腸内環境を整えていく段階に進むときは、そちらでご案内します。

👉 栄養外来のご案内はこちら

「病気ではありませんでした」で終わらせず、では、このお腹をどう整えていくかまで一緒に考える。そのために栄養外来を設けています。

実際、足りていない栄養を補うことで、お腹の調子が少しずつ整っていくお子さんは、決して少なくありません。何が足りていないかは、お子さんによって違います。 だからこそ、まず血液検査で確かめたうえでのご提案になります。

「痛み止めと整腸剤しかない」と思われていた方に、別の道もあるということを知っていただければと思います。

なお、栄養外来は特別なコースではありません。症状に応じて、保険診療の中で行う検査もあります。 どこまで調べるかは、お子さんの状態を診たうえで、ご相談しながら決めていきます。

ひとつ、正直にお伝えしておきたいことがあります。お腹の病気のなかには、一回の診察では分からず、時間の経過のなかで姿を見せてくるものがあります。 ですから当院では、一回で決めつけず、必要に応じてくり返し診ていきます。「様子を見ましょう」となった場合も、どんな症状が出たら受診すべきかを具体的にお伝えします。

くり返すお腹の痛みは、短い診察枠では診きれません。だからこそ、一般の診察とは分けた専門の枠を設けました。受診の前に見ていただく動画もご用意していますので、診察の時間をお子さんのために使うことができます。

ご予約は、当院ホームページの予約システム(デジスマ診療)から「腹痛外来」の枠でお取りください。

治療の全体像 —「病気でない」なら、栄養で整えていく

ここまでをまとめると、くり返すお腹の痛みは、次の順番で進んでいきます。

① まず、病気かどうかを見分ける
これは、ご家庭では判断できません。必ず一度は診察を受けてください。 痛みの強さでは判断できないこと、時間の経過で分かってくるものがあることは、この記事でお伝えしたとおりです。ここは私たちの仕事です。

② 病気でなければ、「治療がない」ではありません
ここが、いちばん誤解されるところです。「異常なし」と言われた時点で、多くの方は行き止まりだと感じます。でも違います。病気ではないお腹の不調には、栄養から整えるという道があります。

③ 栄養で、腸そのものを立て直していく
消化と吸収がうまくいっているか。腸の粘膜が弱っていないか。体を作る材料が足りているか。——腸は、食べたものから作られています。 材料が足りなければ、粘膜は薄くなり、敏感になり、また痛みが出ます。そして痛むお腹は、さらに食べものを取り込めなくなる。この悪循環を、外側から断つのが栄養のアプローチです。

④ 整ってきたら、少しずつ手を放す
一生続けるものではありません。腸が自分で立て直せるようになったら、卒業していきます。

当院が「お腹と栄養のクリニック」を掲げているのは、①〜④が一本の線だからです。

お腹の調子が悪ければ、食べたものをうまく取り込めません。取り込めなければ、腸の粘膜そのものが弱っていきます。お腹の不調と栄養は、片方だけ見ていても進みません。 だから私たちは、いつも掛け算で診ています。

あわせてお読みください

最後に、ひとつだけ

この記事を読んで「うちは急がなくて大丈夫そうだ」と思われたなら、それは正しい読み方です。

ただ、一度も診察を受けずに、ご家庭だけで判断し続けることは、おすすめしません。 痛みの強さでは病気の重さは分からず、時間の経過のなかで姿を見せてくるものもある——それが、お腹という臓器の難しさだからです。

見分けるところは、私たちにお任せください。 そのうえで「病気ではありません」となったなら、そこからが本当のスタートです。どう整えていくかを、一緒に考えていきましょう。

※ この記事は一般的な情報提供であり、診断に代わるものではありません。お子さんの症状について気になることがあれば、自己判断せず、かかりつけ医にご相談ください。

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小児外科医 小森広嗣🩺栄養×お腹 @KomoriKodomoCL

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この記事の執筆・監修者

小森こどもクリニック 院長 小森 広嗣(こもり こうじ)

慶應義塾大学医学部卒業。東京都立小児総合医療センター外科医長などを経て、東京都国分寺市に開院。日本小児外科学会認定の小児外科専門医・指導医、医学博士。年間延べ約5,000組のお子さんの便秘診療にあたる。

腸の「構造」を手で診てきた小児外科専門医の視点と、分子栄養学による「機能」の評価。この両面からお子さんのからだの土台を整える診療を行っている。

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