2018年5月24日

監修:小児外科専門医 小森 広嗣(小森こどもクリニック院長)/最終更新:2026年9月30日
この記事のポイント
・ 便秘の治療は、地道な練習の積み重ね。ひとりで続けるのは簡単ではありません
・ まず「何を解決したくて治療するのか」を具体的に決めることが、続けるための出発点です
・ 治るまでの期間は一人ひとり違います。医師は、目標まで一緒に走る「トレーナー」です
「薬で出るようになったから、もう通わなくていいかな」「いろいろ試したけれど、結局よくならない」。便秘の治療が長くなると、こうした迷いや疲れが出てくるものです。
ジムに通うとき、多くの人がパーソナル・トレーナーをつけるのはなぜでしょうか。ひとりでは続けにくく、すぐに結果が出ず、地味で単調な練習を、目標に向かって続けるためです。便秘の治療も、まったく同じなのです。
便秘の治療は、筋トレと同じ「地道な練習」
パーソナル・トレーナーの役割は、目標を決め、ときには励まし、不安や誘惑に負けないように、一緒に歩んで成果を出すことです。
便秘の治療も、筋トレやダイエットと同じで、すぐには結果が出ない地道な練習の積み重ねです。「とりあえず出ているからいいか」と通院が途切れると、根本的にはよくなっていないため、しばらくしてまた出にくくなることが少なくありません。そうして、あれこれ方法を試しては疲れ切ってしまうご家族にも出会います。
まず、「何を解決したいのか」を決める
迷いが生まれるいちばんの理由は、治療の目的が具体的に決まっていないことです。「便秘を治したい」から一歩進んで、「何を解決したくて治療をするのか」を言葉にしてみてください。たとえば——
・ うんちをするときの痛みをなくしたい
・ 出血をなくしたい
・ おむつを外したい
・ トイレに座って出せるようになりたい
・ 漏れてしまうのをなくしたい
・ 「うんちが嫌い」「自信がない」「恥ずかしい」をなくしたい
何のための治療かがはっきりすると、次に考えることが見えてきます。「いつまでに」「どうやって」続けていくか、です。
治るまでの期間は、一人ひとり違う — 「三分の一の法則」
子どもの便秘の治療経過を見ていくと、ひとつの傾向があります。
・ 三分の一のお子さんは、数か月から半年ほどでよくなっていく
・ 三分の一のお子さんは、1〜2年、ときには数年かけてじっくりと
・ 残りの三分の一のお子さんは、3〜5年、あるいはそれ以上の年月をかけて
「1か月がんばったのに治らない」は、多くのお子さんにとって当たり前のことです。長い道のりだと最初から知っておくことで、途中で心が折れずにすみます。便秘の治療は、長期戦の覚悟が要るトレーニングなのです。
そして、この治療の合否は「今日できたか」では決まりません。「治療をやめていないか」で決まります。できなかった日があっても、やめていなければ、治療は続いています。雨の日に歩かなかった人も、旅をやめたわけではないのです。
うんち専門医は、目標まで一緒に走る「トレーナー」
だからこそ、長い練習を支える伴走役が必要です。当院の医師は、お子さんとご家族にとってのパーソナル・トレーナーでありたいと考えています。
一緒に治療の目標を決め、ときに励まし、日々わき上がる不安や悩みをひとつずつ解きながら、先の見えにくい練習を続けていく。通う回数ではなく、良くなっていく道のりそのものに価値がある——そう考えて、排便の自立に向かって、共に歩んでいきます。
よくあるご質問
Q. 薬で出るようになったら、通院はやめてもいいですか?
出るようになったことは、大きな前進です。ただ、そこで自己判断で薬や通院をやめてしまうと、また溜まる状態に戻ってしまうことがあります。減らし方やゴールは、医師と相談しながら決めていきましょう。
Q. どのくらいの間隔で通えばいいですか?
治療の時期やお子さんの状態によって変わります。始めのうちは様子をこまめに確かめ、安定してきたら間隔を空けていく、というのが一般的な進め方です。通いやすいペースも含めて、一緒に決めていきます。
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「うちの子はどうだろう」と確かめてみたい方へ
「何のために治療を続けているのか分からなくなってきた」「このまま続けていいのか迷っている」ときこそ、ご相談ください。当院の便秘外来では、小児外科専門医が、まず「何を解決したいのか」を一緒に言葉にし、そこへ向かう道のりと、ご家庭で続けられるやり方を一緒に考えます。遠方の方の受診の窓口も、下のページにまとめています。
ご予約は、当院ホームページの予約システム(デジスマ診療アプリ)から承っています。
すでに通院中の方へ:目標が変わってきたと感じたら、次の診察でお聞かせください。そのときどきの目標に合わせて、進め方を見直します。
– 栄養外来のご案内|血液検査で、腸を動かす材料が足りているかを確かめます
院長の本|『うんちが出ない!』(2026年12月9日発売)

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診察室の外の発信
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小児外科医 小森広嗣🩺栄養×お腹 @KomoriKodomoCL
この記事の執筆・監修者
小森こどもクリニック 院長 小森 広嗣(こもり こうじ)
小児外科専門医・指導医、医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、東京都立小児総合医療センター外科医長などを経て、小森こどもクリニックを開院。小児外科の出身として、いまは地域の中で、お腹と栄養の外来を深く追求している。
「成長の感動や喜びをお子さん・ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育てができる社会を創る」ことを自身のビジョンとし、診療と情報発信の両輪で活動している。
▶ 著書:『うんちが出ない!』(英智舎・2026年12月9日発売)
▶ 取材・講演のお問い合わせ:press@komori-kodomo.com