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「うちの子、給食をほとんど食べていないみたいで…」
「最近なんだか元気がないし、すぐに『疲れた』って言うんです」
「時々、めまいがしてフラフラするみたいで、見ていて心配で…。体重も少し減ったのか、痩せてきた気もします」
「お腹がすきすぎて家に帰ってくると、甘いものばかり欲しがるんです…」
こんなお悩みはありませんか?
毎日のことだからこそ、心配になりますよね。しかし、大丈夫です。給食を時間内に、みんなと同じように食べられなくても、お子さんを責める必要は全くありません。
大切なのは、お子さんの体が本当に必要としている栄養を、別のタイミングで賢く補給してあげることです。
その合言葉は「賢い補食」。
これは単なるおやつではなく、体と心を元気にするための、親子で楽しむ「作戦」です。この記事では、具体的な食品リストと1日のプランをご紹介します。
給食を食べずに空腹の時間が長くなると、体は手っ取り早いエネルギー源である糖質(お菓子、ジュース、菓子パン)を強く求めるようになります。
しかし、糖質だけで空腹を満たすと、血糖値が急上昇した後に急降下し、かえって強い眠気やだるさ、気分の浮き沈みを引き起こしてしまいます。これが、元気のなさやフラフラ感の一因にもなります。
そこで重要になるのが、血糖値を安定させる「タンパク質」をこまめに補給すること。タンパク質は、すぐに燃え尽きる焚き火の紙(糖質)とは違い、じっくり長く燃え続ける薪(まき)のような存在。体のエネルギーを持続させ、心も体も安定させてくれるのです。
さあ、明日からのお子さんの「作戦」に使える、心強いアイテムを見ていきましょう!
まずは「薪」となるタンパク質を中心に、お店で手軽に準備できる食品リストです。
🥚 ゆで卵 / うずらの卵 / 温泉卵
← タンパク質と鉄分を同時にチャージ!
💪 ギリシャヨーグルト(OIKOSなど)
← 腸内環境も整える、優秀タンパク質!
🌱 豆腐バー
← 罪悪感ゼロ!甘くないおやつ感覚で。
🧀 ベビーチーズ / 6Pチーズ
← 勉強の合間の集中力アップに!
🥛 豆乳 / 牛乳(200mlパック)
← 飲むだけでカルシウムとタンパク質を補給。
※牛乳が合わない(お腹がゴロゴロするなど)お子さんには、無調整豆乳がおすすめです。
🍗 サラダチキン(スティックタイプ)
← 眠気を防ぐ、持続力のエネルギー源!
🐔 焼き鳥(塩)
← 温めなくても美味しい、実はお手軽補食。
🍖 スモークタン / 焼き豚(スライス)
← 少量でも満足感のある、しっかりタンパク質。
🐟 カニカマ、ちくわ、魚肉ソーセージ
← 手軽に魚のタンパク質をゲット!
🐠 サバの塩焼き(真空パック)
← 体に良いDHA/EPAも一緒に摂れる!
🥫 ツナ缶(水煮・オイル無添加)
← 様々な料理に使える、常備したいタンパク源。
🦑 あたりめ・スルメ
← よく噛むことで、満足中枢を刺激!
🍫 プロテインバー
← 時間がない時の最強の味方!
🥜 素焼きミックスナッツ
← 体に良い油とミネラルがたっぷり。
🥣 フリーズドライのスープ(たまご、味噌汁など)
← お湯を注ぐだけ。「飲む栄養」の常備品に。
このリストを、実際の1日にどう組み込むか、お子さんの食欲レベルに合わせた2段階のプランでご紹介します。
「飲む栄養」と「消化しやすいタンパク質」を少量・高頻度で摂ることに集中します。
起床後:白湯または具なしのスープ(フリーズドライも活用)
朝食:卵と豆腐のスープ または 茶碗蒸し(ごく少量)
補食①:無調整豆乳(100ml程度)
昼食:鶏ささみの出汁スープ(食べられそうなら、ほぐしたささみを少し)
補食②:プレーンのギリシャヨーグルト(大さじ1〜2杯) または ベビーチーズ1個
夕食:カツオ出汁の「かきたま汁」
就寝前:具なしの味噌汁(上澄み)
リストのアイテムを積極的に活用し、栄養を確実に積み上げます。
朝食:ゆで卵1個 または プレーンのギリシャヨーグルト
補食①(午前中の休み時間など):(持参)うずらの卵2個 または 豆腐バー半分
昼食:給食(食べられるものだけでOK!タンパク質不足は想定内)
補食②(下校後や塾の前):サラダチキンスティック1本 または 焼き鳥1本
夕食:サバの塩焼き、具だくさん味噌汁
就寝前:素焼きのナッツ少量 または ベビーチーズ1個
ご紹介したリストやプランは、あくまでヒントです。
一番大切なのは、本人が好きなもの、続けやすいものを見つけること。そして、完璧を目指さないことです。
「今日はゆで卵を1個食べられたね!」
「サラダチキンに挑戦できたんだ、すごいね!」
給食が食べられないことを問題にするのではなく、自分で栄養を補給する「作戦」ができたことを、たくさん褒めてあげてください。その前向きな気持ちが、お子さんの心と体の何よりの栄養になります。
このリストをスクリーンショットしたり、印刷して冷蔵庫に貼っておくのもおすすめです。ぜひ親子で作戦会議をしてみてくださいね。
一人で抱え込まず、どんなに些細なことでも、ご相談ください。
当院では、血液検査などでお子様の「隠れ栄養障害」を判断し、改善に導くための外来も行っております。詳細はホームページをご参照ください。
慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。