★頻度
5歳以下の誤飲で一番多い事故がたばこ誤飲です。生後5,6ヶ月ころからみられ、8ヶ月頃が一番多く発生しています。
★タバコ飲み込んでしまった可能性があるときの対応
・水や牛乳などの摂取はタバコの吸収を早めるのでさせないでください。
・家でできる処置としては、何も飲まさずに指を突っ込んで吐かせる事です。無理のない範囲で行ってみてください。
・2cm以内であれば、通常は症状がでる可能性は低いので、慌てずに受診をしてください。
・タバコの葉を2cm以上食べた場合、吸い殻の液体を飲んだ場合には、中毒症状がでる場合があるので、早急に大きな病院を受診してください。
★症状
・タバコの葉は口に入れると刺激が強く、なかなか飲み込めないのが現実です。通常は、誤飲量は少なく、ニコチンの催吐作用により嘔吐すること、ニコチンは胃から吸収されるのはかなり遅いので、ニコチン中毒になることは少ないと考えます。
・ニコチンが吸収されると、30分前後(から2-3時間以内)で嘔吐、よだれが多くなり、腹痛、下痢、めまい、顔色が悪くなる、興奮、けいれんなどが現れてきます。
★治療
・ほとんどの場合はちょっとかじった程度で、口の周りにタバコの葉がついていることがあるくらいで、あまり飲み込んでいないで、心配ないことが多いです。飲み込んだ量が少なければそのまま様子を見ます。
・2,3cm以下の誤飲では、通常は無処置、胃洗浄もしなくてもよい場合がほとんであると考えられます。
・誤飲して4-5時間経って、無症状であればまずは心配はいらないです
・致死量はたばこ1本分とされています
・灰皿代わりに使った缶の中のジュースや水にニコチンが溶けだしているときには、たくさんのニコチンが溶けていることが多く、これを飲んだ場合にはたばこをかじったよりも危険です。すぐに胃洗浄などの治療が必要となる場合があります。
・タバコ誤食から概ね1時間以内,かつ,急性ニコチン中毒の症状があれば胃洗浄と活性炭投与の適応となりえます。
★日々の注意点
・大切なことはお子さんの手の届くところにタバコなど、口にはいるものをおかないことです。ハイハイするようになると、手にとって口に入れるようになりますので、気をつけていきましょう。
慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。