子どもが風邪をひくと、親としては心配でたまらないものです。「また風邪?」「また熱が出た…」「毎週のように熱が出てるんだけれど大丈夫?…」という不安が募るのも無理はありません。
現場では、親御さんから「とても心配です」「体の免疫は大丈夫なのか…」といった不安の声を多くいただきます。また、何度も病院に通うことに疲れ、ため息を漏らす親御さんの姿を目にすることも少なくありません。
特にここ数年、コロナ禍での外出制限や集団生活の制約によって、子どもたちが様々な病原体に接する機会が減りました。
そのため、免疫を十分に育てる機会が少なくなり、今の感染症の流行の中で風邪や発熱を繰り返すことが多くなっています。
これにより、「なぜこんなに風邪をひくのだろう…」と、親御さんが疑問や不安になってしまうこともありますが、多くの風邪ウイルスに繰り返しかかりながら免疫をつけざるを得ないという試練でもあります。
風邪をひきやすい子、長引く子、すぐに治る子と、個人差が大きいと感じます。これは良し悪しではなく、体質や免疫力の違いによるものです。
親御さんにとって、「この子は本当に大丈夫だろうか?」と心配になり、精神的な負担が大きくなることもあると思います。そして、こうした場合に病気が陰に隠れていることは極めて少ないことが多いです。
ですので、ご家族ができるのは、その都度しっかり治していくことです。場合によっては治るまでに長く時間がかかることもありますが、根気よく治療していくことがどうしても必要です。
子どもたちは、繰り返す風邪の中でも少しずつ免疫をつけ、強くたくましくなっていきます。「またか…」と思うこともあるかもしれませんが、こうした経験をしながら体もゆっくりと強くなります。焦らず、子どもの成長をゆっくり見守っていきましょう。
慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。