任意接種の考え方
定期接種の対象年齢を過ぎた場合、また日本脳炎が流行している国や地域に渡航する場合
の方に当てはまる内容となります。
本日の診察でお受けした質問にキチンとお答えするために記事といたしました。
(定期接種、特例対象者を除く)
日本脳炎ワクチンの効果を確実にするためには、
初回接種(2回)とその後の追加接種を行います(合計3回)。
これにより発症防御に必要な中和抗体を維持することが可能と考えられています。
具体的には、
初回接種として1から4週の間隔をおいて2回、
初回接種後おおむね1年を経過した時期にもう1回接種します(合計3回)。
初回2回の接種では、短期間であれば中和抗体は十分上がりますが
(以前のブログ記事を参照ください)、
長持ちしないため、長期的な維持には3回の接種を完了することが必要です。
それでも、20歳以上となると、抗体が陰性となる人がおりますので、
5~10年毎の追加接種が免疫の維持に必要となります。
任意の場合の追加接種は?
さらに、第一期として3回の接種を受けた人は、
最後の接種からおおむね5-10年後に1回接種することで、
日本脳炎の発症を予防することが可能なレベルの交代が維持されることが期待されています。
すなわち4回目を5-10年目に接種するのが目安になると言えます。
海外に行かれる場合
また、東南アジア等、日本脳炎の流行地域に行かれる場合には、
初回接種(3回)を受けられている場合は、
渡航前に1回追加接種を受けてください。
1回もワクチンを受けていない場合には
基礎免疫(初回+追加:3回)を受けてください。
日本脳炎のワクチン接種歴が不明な場合
通常は抗体価を調べることなく、接種歴なしとみなして、基礎免疫から接種を始めてください。
抗体保有者がワクチンを接種することによっての副反応の発生頻度のリスクが上がることはありません。
慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。