汗をかく時期は保湿剤がいらない、と思っていらっしゃる方、汗は保湿剤にはならないので、積極的に保湿剤によるスキンケアをおすすめします!!
皮膚バリアは、皮脂膜(油分)と角層(水分)からなり、両方が一緒になって、しっかり機能して、外敵などから体を守ってくれます。
油の膜です。
皮膚の表面を覆う、油の膜です。油の膜が皮膚を守ってくれています。
油の膜が少ない状態を皮脂欠乏症といいます。
水分の貯留庫です。
皮膚の最も表面に近い、わずか0.02ミリの厚さの組織です。
主にセラミド、天然保湿因子などの水分を角層にしっかり蓄えることで、皮膚を守ってくれています。
皮膚のバリア機能が安定して働くには、皮脂膜(油)と角層(水分)の両方が必須です。
ドライスキンとは、皮脂膜(油分)あるいは角層(水分)のいずれか、あるいは、両方が失われた状態のことです。
皮膚の油が欠乏する(=皮脂欠乏症)と、角層の水分量の維持ができなくなり、ドライスキンの状態になります。
ドライスキンになると、皮膚のバリア機能が低下し、炎症、皮膚の感染を招きます。
カサカサの皮膚から食物アレルギーなどを発症するとも言われています。
紫外線防の刺激を受けやすい状態(紫外線に弱くなる)になると言われています。
このように、ドライスキンの状態では、様々な弊害が起きます。
皮膚は、常に炎症を起こしやすくなり、カサカサ、ザラザラ、かゆみ、炎症を引き起こしやすい状態になります。
ドライスキンの状態で汗をかくと、一気にあせもが悪化していきます。
赤ちゃんから小学生に入るくらいまでは、皮脂分泌が最も少ない時期と言われています。
このため生理的にドライスキンの状態にあり、慢性的に皮脂、水分が不足しているのです。
このため、積極的に保湿して、皮脂、水分を補ってあげることが必要です。
保湿が必須ということです。
例えば、小学生になっても、ドライスキンの場合が多いので、保湿剤で水分・油分を補ってあげるとよいです。
夏でも、ドライスキン状態にあり、角層水分量が低下しているので保湿は必須です。
夏は汗でしっとりしているので保湿する必要はないと思われがちですが、汗は保湿剤にはなりません!!
ドライスキンの状態で汗をかくと、炎症を引き起こします。
ドライスキンの状態で、紫外線を浴びると、炎症を引き起こします。
夏でも保湿をして、バリア機能を維持することが必要なのです。
この時期はとびひにもなりやすいので、注意が必要です。
十分に保湿することによって、ドライスキン状態が改善し、バリア機能が回復、補強されていきます。
皮膚のバリアがしっかりしてくると、汗をかいても、手洗いの刺激があっても、マスクをしていても、紫外線の影響があっても、炎症を起こしにくくなります。
汗は、刺激物が含まれているので、汗≠保湿剤です。
夏は汗を拭きとったり、シャワーをたびたび浴びたり、またプールに入る機会も多くなります。
そのため機械的 刺激や塩素などによって皮脂が奪われてしまい、皮脂欠乏状態が高じやすくなります。
その都度、まめに保湿剤をしてあげるとよいです。
手洗いは石鹸をよく泡立てて、そしてこまめに保湿をする習慣をしましょう。
油分も水分も共に不足しているため、両方を補うことが理想ですが、
春や夏の保湿剤としては、油分が少なく、べたつ かず、伸びが良い、サッパリ感がある使い心地の良いものがおすすめです。
水分をしっかり補ってあげることで、皮膚は自分で油分を作る(自給)ことができます。
ただし、顔、手足のように乾燥が強い場所は、油分(ワセリン、プロペト)も一緒に補ってあげるとよいです。
市販の保湿剤でもよいので、まずは保湿剤によるスキンケアをしましょう。
保湿しても、かゆみ、赤み、ザラザラ、じくじくが治らない場合には、当院にご相談ください。
慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。