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手足口病、ヘルパンギーナは発疹ができる夏風邪の代表ですが、バリエーションが多いです

  • 公開:2017年10月1日
  • 更新:2017年10月1日
  • 感染症

手足口病、ヘルパンギーナが今年は流行しています。
お子さんだけでなくて、お母さんやお父さんも手足口病で一緒に拝見することも比較的多いです。

手足口病やヘルパンギーナは、いわゆる夏風邪を代表するウィルス疾患で、夏に活発な感染症です。

手足口病もヘルパンギーナも、共にエンテロウイルス属というグループに属しています。その中で、さらに細かく種類が分かれていて、名前がつけられています。

細かな名前が違いますが、似たもの同士ではあるので、共通する症状もありますが、
少しずつ性質が違うので、発疹の強さや広がりが変わってきます。

手足口病の場合は、例えば、典型的には、口の中、手および足の三カ所に水疱ができますが、どれか一カ所だけだったり、二カ所だけの場合もあります。
また、手足口以外にも、体幹部や頭、全身に皮疹をきたすことがあります。
同じ手足口病でも随分バリエーションがあります。

はじめに、発熱と共に「のど」に「水泡、ぶつぶつ」がてきていて来院されると、ヘルパンギーナと暫定診断をします。その後、数日の発熱後、解熱して、手足に「ぶつぶつ」が認められると、手足口病と診断をします。
手足口病もヘルパンギーナもウイルスをしては、親戚同時なので似ているのですね。

手足口病やヘルパンギーナは有名ですが、これらを引き起こすウイルスは、エンテロウイルス属の中の一部にすぎません。それ以外のエンテロウイルス属が多数存在しているので、夏風邪で発熱と発疹がでてきたときには、手足口病やヘルパンギーナと診断がつかなくても、他の種類のエンテロウイルスが原因で、病名のつかない=ただなの夏風邪として、風邪症状や発熱、特徴的でない発疹を認めることは多々あります。

夏風邪ウイルスによる発疹だといわれ、具体的な診断の名前がつかないエンテロウイルス属の感染もたくさんあると考えられます。必ずしも診断の名前にこだわる必要はないといえます。

大事なことは、時にウィルス感染が脳や心臓に悪影響を来すことがあるので、全身状態をの悪化がないかを、しっかり診ていくことです。しかし、ほとんどは、軽くすむことが多いので、過度の心配はしなくても大丈夫です。

ウィルス感染なので、抗生物質は効きません。自分の免疫力で治すしかないので、治癒力をサポートしていくこと、症状を少しでも楽にしていくことが治療の目標になります。

院長 小森 広嗣
記事監修
院長 小森 広嗣
(こもり こうじ)

慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士

小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。

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