先日、クリニックを受診されたお母さまより表題のご質問をいただきましたので、
他のご家族へもシェアをしたく、記事として取り上げさせていただきす。
★妊娠中の場合
妊婦さんは原則すべての生ワクチンの接種は受けられません。すなわち、妊娠期間中は、生ワクチンであるMRワクチン、麻疹ワクチン、風しんワクチンの接種も受けられません。
★授乳中の場合
MRワクチン、麻疹、風しんワクチン接種は可能です。
妊娠中の検査で風しん抗体価が低かった場合(1:16以下)には、次の妊娠に備えて、出産後早期のタイミングでのワクチン接種が望まれます。厚生労働科学研究班による安全性の報告もされています。
風しんワクチンウイルスは母乳中に排泄され、あかちゃんの抗体価が一時的に上がるという報告もありますが、無症状であり、抗体価も低く、一時的なもので、赤ちゃんの風しんの免疫を与えるには至らないと言われています。ワクチンで赤ちゃんが風しんの症状がでることはないのでワクチンが打てない理由にはなりません。
★妊娠の可能性や希望がある場合
妊娠をしていないことが確実な時期にMRワクチンの接種を行います。
具体的には、あらかじめ約1か月避妊をした後、妊娠していないことを確認し、ワクチン接種を受けてください。
また、ワクチン接種を受けた場合には、2か月間は避妊を継続してください。
あやまって妊娠3か月以内に風しんワクチンを接種した場合でも、風しんワクチンウイルスによる先天性風しん症候群児の出生の報告はありませんが、リスクはゼロではないという考え方からワクチン接種は受けるべきではないとされています。しかし、万が一、妊娠していることに気づかずに、ワクチン接種を受けてしまった場合でも、先天性風しん症候群のリスクは低いとされておりますので中絶の必要はありません。
慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。