2026年6月20日

お子さんの腸内環境を「見える化」する
「便秘がなかなか良くならない」「お腹が張る・ガスが多い」「原因がわからない腹痛を繰り返す」——。
こうしたお子さんの不調の背景には、お腹の中の「腸内環境(腸内細菌のバランス)」が関わっていることがあります。
私たちの腸の中には、何百種類もの細菌がすみついていて、お互いにバランスを取りながら、消化・吸収や免疫、こころの安定にまで関わっていることがわかってきました。このバランスは、これまで目で見ることができませんでした。
当院の「お腹と栄養の外来」では、この腸内環境の状態を検査で「見える化」し、お子さん一人ひとりに合った食事や生活習慣の見直しにつなげていきます。
「お腹の専門家」だからこそ行う腸内細菌検査
当院の腸内細菌検査には、他の医療機関にはない特徴があります。
院長の小森は、小児外科専門医として25年以上にわたり子どもたちの消化管を診てきました。便秘外来で日々お腹を診ている「お腹の専門家」でもあります。
腸の構造と機能を熟知した小児外科専門医が、腸内環境という「機能」の側面と、栄養という「材料」の側面の両方から、お子さんのお腹を総合的に診る——。これが、当院の「お腹と栄養の外来」の考え方です。
検査の数値だけを見るのではなく、お子さんの症状・食生活・便の様子とあわせて読み解き、ご家庭で無理なく続けられる形で食事や生活習慣の改善につなげていきます。
なぜ、腸内細菌検査を実施するのか(検査の意味)
腸内環境は、便秘の治療や栄養療法の「土台」になる大切な部分です。
しかし、腸内環境の個性は一人ひとりまったく異なります。
「お腹の調子が悪いから」と、良かれと思ってヨーグルトや食物繊維(腸活)を頑張った結果、かえってガスが溜まって苦しくなってしまうお子さんも少なくありません。
一番お腹が荒れている時に必要なのは、「腸活(=足すこと)」ではなく「鎮火(=火事を鎮めること)」である場合が多いのです。当院では、腸内環境を立て直すために「①引く(鎮火) → ②流す(渋滞解除) → ③修復する → ④育てる」という4つのステップを大切にしています。
「なんとなく良さそうだから」と闇雲に腸活やサプリメントを試すのではなく、「いま、お子さんの腸がどのステップ(状態)にいて、何を引いて、何を育てていくとよいか」を客観的に把握することが、遠回りに見えて実は一番の近道になります。
✔ 腸内細菌の多様性(バランスの豊かさ)
✔ ビフィズス菌など、有益な菌の割合
✔ 酪酸など、腸を元気にする「短鎖脂肪酸」をつくる菌の状態
✔ 全体のバランスから見える「いまの腸内環境の傾向」
これらを「地図」として手に入れることで、自信を持って日々の食事や栄養改善に取り組むことができるようになります。
こんな方におすすめです
・ 便秘や腹部の張り、ガス、繰り返す腹痛が気になるお子さん
・ 食生活を見直しても、なかなか体調の変化を感じにくいお子さん
・ 偏食が強く、腸の状態が気になるお子さん
・ まずは「自分の腸内環境がどんな状態なのか」を知りたい方
・ サプリメントや食事改善に、客観的な根拠を持って取り組みたい方
当院で行う腸内細菌検査(Mykinso/マイキンソー)
当院では、お子さんの腸内細菌検査に Mykinso(マイキンソー) を用いています。
腸内フローラの「総合判定(5段階)」や多様性、ビフィズス菌・酪酸をつくる菌、便秘に関わる菌のバランスなどを、わかりやすいレポートで把握できる検査です。
国内最大規模(累計25万件以上の検査実績・導入医療機関1,500施設以上)のデータに基づいて判定される点が特徴で、結果は比較的早く、約3週間ほどで届きます。ご自宅で採便していただくため、お子さんへの身体的な負担がほとんどありません。
・ こんな方に:まずは腸内環境の全体像を知り、食事・腸活の方向性を立てたい方
・ 検査でわかること:腸内フローラ総合判定(5段階)/多様性/ビフィズス菌・酪酸をつくる菌・便秘に関わる菌などのバランス
なぜ、当院はこの検査を選んでいるのか
日々の食事の判断で本当に必要なのは、「ガスが作られやすいタイプか」「善玉菌のベースはどうか」という大きな傾向です。ここがわかれば、「いまは引く時期か、育てる時期か」「どの食物繊維から試してみるか」という次の一手は決まります。
菌を種や株のレベルまで細かく調べる検査もありますが、細かく分析したからといって、お子さんの食事の方針が大きく変わるわけではありません。必要な情報を、無理のない費用と期間で手に入れる。 これが、当院がこの検査を第一に選んでいる理由です。
レポートの先にある、私たちの役割
検査で届いたレポートは、それ自体を見ていただくだけでも、十分に価値のある「腸内環境の地図」になります。
その上で、当院がもっとも大切にしているのは、そのレポートを「読み解き、お子さんの実践につなげる」ところです。ここは、検査会社ではなく、お腹と栄養を専門とする私たちの役割です。
✔ 医師による結果説明(約10分):
小児外科専門医が、レポートの数値をお子さんの症状・食事・便の様子とあわせて読み解き、いまの腸の状態と大きな方向性をお伝えします
✔ 栄養カウンセラーへのご相談(ご希望に応じて):
より詳しく、ご家庭での食事の工夫やサプリメントの取り入れ方まで踏み込んで相談したい方は、栄養カウンセラーによる個別相談をご利用いただけます
✔ 「合うものだけ」を一緒に選ぶ:
レポートが示す食材やサプリメント・プレバイオティクス/プロバイオティクスの提案は、あくまで”出発点”です。当院の「引く → 流す → 修復する → 育てる」の考え方に沿って、いまのお子さんに合うものだけを取捨選択し、医療用サプリメントは安全性を確認しながらご提案します
✔ 検査後のフォロー:
ご自宅で振り返りができる専用の学習コンテンツをご案内します。お子さん一人ひとりに合わせて食事の工夫やサプリメントを相談しながら続けたい場合は、栄養カウンセラーの個別相談(伴走サポート)や次回の診察でお受けします(※公式LINEは栄養・腸に関する一般的な情報をお届けする場で、個別のご相談やフォローの窓口ではありません)
検査の流れ
腸内細菌検査は、ご自宅で採便していただくため、お子さんへの身体的な負担がほとんどありません。
ステップ1:診察・検査のご説明
まずは外来でお子さんの症状やお腹の状態を確認し、腸内細菌検査が向いているかを判断します。検査の内容や採便の方法を、丁寧にご説明します。
ステップ2:ご自宅で採便
検査キットをお渡しします。ご自宅でお子さんの便を採取し、郵送していただきます。
ステップ3:結果のご説明(約3週間後)
検査結果が届きましたら、医師が約10分で腸内細菌の多様性や、有益な菌・気になる菌のバランス、腸の状態をわかりやすくご説明し、大きな方向性をお伝えします。食事の工夫やサプリメントの取り入れ方まで詳しく相談したい方は、栄養カウンセラーによる個別相談もご利用いただけます。
ステップ4:継続フォロー・再検査
食事や生活習慣の改善に取り組んだあと、一定期間をおいて再検査を行うことで、腸内環境の変化を客観的に確認することもできます。「整えてきた腸の状態」を数値で見られることが、お子さんやご家族の励みにもつながります。
検査の対象年齢と、当院の考え方
腸内細菌検査(Mykinso)は、3歳以上のお子さんから受けていただけます。
「腸活」というと、「食物繊維や善玉菌の餌になるものを、とにかくたくさん食べさせればいい」と思われがちです。しかし、実はそんなに単純な話ではありません。
腸内環境で一番大切なのは「バランス」です。
「体に良い」と言われる水溶性の食物繊維やビフィズス菌、ヨーグルトなども、お子さんの現在の腸内細菌のバランスによっては、かえってガスを増やしてしまったり、お腹の張りを悪化させたりする原因になることがあります。良かれと思って頑張って続けていることが、実はお子さんの今の腸には合っていない「見えないミスマッチ」が起きていることも少なくないのです。
腸内細菌検査の最大の価値は、いま現在の腸のバランス(現在地)を知り、「何を引いて、何をどんな形で足していけばよいか」の方向性をつけることにあります。
・どんな種類の食物繊維(水溶性・不溶性)が今の腸に合っていそうか
・いまは発酵食品を足していい時期か、それとも「引く(消化の負担を減らす)」時期か
・善玉菌を育てるために、どのような「餌」を選んで入れていくとバランスが整いやすいか
このように、やみくもに足し算をするのではなく、腸内細菌のバランスを整えるための「判断材料」として使うことで、よりお子さんに合った確かなアプローチが可能になります。
3歳未満のお子さんについては、腸内環境がまだ大きく変動する時期のため、原則として検査は行わず、臨床評価(便通・腹部所見・食事内容など)をもとに判断しています。
さらに詳しく調べたい方へ(中高生以上・保護者の方)
より詳しく菌のはたらきまで知りたい方には、MicroBio Me(マイクロバイオミー)という検査もご用意しています。
菌を「種・株」という細かいレベルまで解析(ショットガンメタゲノム解析)する、日本で最も詳細なクラスの検査です。キリンの発酵バイオ技術と、米国の解析機関(Thorne社)の技術を組み合わせています。
単にどんな菌がいるかだけでなく、腸内細菌の総合スコア、いま不足している菌、さらに菌がもつ潜在能力(ビタミンや短鎖脂肪酸をつくる力)や、脳腸相関・免疫などのスコアまで、約70項目を分析します。さらに、世界中の研究論文の情報をもとに、不足している菌が「よろこぶ食材」や、摂りたい食物繊維・有用菌まで具体的に示されます。
ただし、この検査のレポートは成人の方を前提に作られており、結果が届くまでに約6〜9週間ほどお時間をいただきます。そのため当院では、中高生以上の方や、お子さんと一緒にご自身の腸内環境も整えたい保護者の方を主な対象としています。小さなお子さんについては、まずMykinsoで十分な情報が得られると考えており、ご希望の場合は診察の際に医師とご相談ください。
検査のあとが、いちばん大切です
腸内細菌検査は、「調べて終わり」ではありません。大切なのは、その結果をもとに腸内環境を育てていくことです。
当院では、検査結果をふまえて、食物繊維や発酵食品の取り入れ方、タンパク質の摂り方など、ご家庭で無理なく続けられる食事の工夫をお伝えします。必要に応じて、腸内環境を整えるサポートとして医療用サプリメントもご提案します。
オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定の栄養カウンセラーが、お子さんとご家族に寄り添いながら、一緒に腸を育てていきます。
費用について(自費診療)
腸内細菌検査は自費診療です。
最新の検査料金は、栄養外来の「詳しい治療内容と費用」のページにまとめて掲載しています。 そちらでご確認ください。
検査には、医師による結果説明(約10分)を含みます。また、ご自宅でいつでも振り返りができる「専用の学習コンテンツ(オンラインポータル)」の該当ページをご案内します。そのうえで、食事やサプリメントの取り入れ方までお子さんに合わせて個別に相談しながら続けたい方は、栄養カウンセラーによる個別相談(伴走サポート)をご利用いただけます。(※公式LINEは栄養・腸に関する一般的な情報をお届けする場で、個別のご相談やフォローの窓口ではありません)
※検査と同時に、便中カルプロテクチン(腸の炎症の確認)などの検査をあわせてご提案することもあります。
よくあるご質問
Q. 痛みや、お子さんへの負担はありますか?
A. ご自宅で便を採取していただく検査ですので、採血のような痛みはありません。お子さんへの身体的な負担はほとんどありません。
Q. 便秘やアレルギーは、この検査で治りますか?
A. 腸内細菌検査は、病気を診断したり治したりする検査ではありません。お子さんの腸内環境の「いまの状態」を知り、食事や生活習慣を見直していくための地図として活用するものです。腸内環境を整えることは、便秘の治療や栄養療法を進めるうえでの大切な土台になります。
Q. 検査結果はどのくらいで出ますか?
A. Mykinso(マイキンソー)は約3週間ほどで結果が届きます。結果が届きましたら、あらためてご説明の機会を設けます。(より詳しいMicroBio Me(マイクロバイオミー)をご希望の場合は、米国の解析機関で調べるため約6〜9週間ほどお時間をいただきます。)
Q. 検査だけ受けることはできますか?
A. まずは外来でお子さんの状態を確認したうえで、検査が向いているかを判断します。お子さんにとって本当に必要かを見極めながらご提案しますので、ご安心ください。
ご予約・お問い合わせ
腸内細菌検査は、お腹と栄養の外来(完全予約制)の中でご提供しています。
ご予約は、当院ホームページの初診のご案内・予約ページから、予約システム(デジスマ診療)へお進みください。
(※初診時の注意事項などを事前にご確認いただくため、ホームページを経由してご予約いただいております)
栄養や腸内環境に関する情報は、当院の栄養の公式LINEでお届けしています。ご登録いただいた方には「栄養療法スタートアップガイド」をお届けするほか、簡単なご質問にもお答えしています(お子さん一人ひとりの詳しい個別相談は、栄養カウンセラーの相談や診察でお受けしています)。
お腹と栄養の両面から、お子さんの体の土台を一緒に整えていきましょう。詳しくは栄養外来のページもあわせてご覧ください。
監修者プロフィール
小森こどもクリニック 院長 小森 広嗣(こもり こうじ)
慶應義塾大学医学部卒。都立小児総合医療センター外科医長などを経て小森こどもクリニックを開院。
小児外科専門医として数多くのおなか(消化管)の手術や治療に携わり、「こどものお腹のスペシャリスト」として消化管の構造と機能に精通する。
自身や家族の不調が栄養療法で改善した手応えから、「西洋医学だけでは届かない不調」の解決策として「栄養」の重要性を確信。
「吸収の場である腸」と「体の材料となる栄養」の両面から、標準治療と分子栄養学を柔軟に組み合わせ、その子の体の土台を根本から整える「統合的な医療」を実践している。
日本小児外科学会認定専門医・指導医、医学博士。
▶ 著書:『うんちが出ない!』(英智舎・2026年12月9日発売)
👉 小森広嗣 日々の発信(X)はこちら @KomoriKodomoCL
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