2017年10月04日

監修:小児外科専門医 小森 広嗣(小森こどもクリニック院長)/最終更新:2026年9月30日
この記事のポイント
・ 生後2〜3か月ごろにうんちの回数が減るのは、よくあることです
・ 機嫌・飲み・体重が順調なら、多くは一時的です。ただ、長く出ないまま様子を見るより、2〜3日に1回は出す習慣をつけておくと安心です
・ 白っぽいうんち、お腹の張り、体重が増えない、飲みが悪いなどのときは、早めに受診を
「生まれてすぐは1日に何回も出ていたのに、生後2〜3か月になって、急にうんちの回数が減った」「新生児なのに、2〜3日に1回しか出ない。便秘なの?」。4か月児健診などで、とてもよくいただくご相談です。
結論からお伝えすると、赤ちゃんの機嫌がよく、母乳やミルクをよく飲み、体重が順調に増えているなら、回数が減ること自体は一時的なことが多いものです。ただ当院では、何日も出ないまま様子を見続けるのではなく、2〜3日に1回は出す習慣をつけておくことをおすすめしています。ここでは、なぜ回数が減るのか、どのくらいのリズムを目安にすればいいのか、そして「受診したほうがよいサイン」を整理します。
新生児〜乳児のうんちの回数は、個人差がとても大きい
新生児期から乳児期にかけて、1日のうんちの回数は、赤ちゃんによって驚くほど違います。生まれてすぐから2〜3日に1回のペースの赤ちゃんもいれば、1日に何回も出る赤ちゃんもいます。
そして、新生児期には1日に何回も出ていたのに、生後2〜3か月ごろになって急に回数が減ることも、比較的よくあることです。
生後2〜3か月で、うんちの回数が減るのはなぜ?
いくつかの理由が重なって、個人差が生まれていると考えられます。
・ 母乳は消化がとてもよい:体にしっかり吸収されるぶん、うんちになる量が少なく、回数が減ることがあります
・ 腸が成長して、腸の動きや出し方が変わってくる:生後2〜3か月ごろは腸が大きく育つ時期で、それにともなって出るリズムも変わってくることがあります
・ 飲む量や、母乳かミルクかの違い:これらも回数に影響します
回数が減ったからといって、それだけで「便秘」とは限りません。
目安は「2〜3日に1回」— 出すリズムを体に覚えさせる
「1週間出なくても、機嫌がよくてミルクも飲んでいるなら様子を見ていい」と言われることもあります。けれども当院では、長いあいだ出ないまま様子を見続けることは、あまりおすすめしていません。
生後2〜3か月を過ぎると、3〜4日に1回でも柔らかいうんちがすんなり出ている赤ちゃんもいます。かといって、毎日出さなければいけないというわけでもありません。そのうえで当院では、ためすぎない習慣のために、離乳食が始まる前でも、2〜3日に1回は出すことを目安にしています。小さいうちから「ためすぎずに出す」リズムを体に覚えさせておくことが、この先の排便の土台になります。
お腹が張りやすい赤ちゃんもいます。赤ちゃんは、母乳やミルクを飲むとお腹が動いて、うんちを出したくなる体のしくみを持っています。お腹が張って苦しそうな子には、毎日、ときには1日2回出すようにお伝えすることもあります。出すきっかけのつくり方(綿棒でおしりを刺激するなど)は、医師と相談して決めていきましょう。
そして離乳食が始まったら、毎日〜1日おきのリズムをめざしていきます(関連記事「離乳食で赤ちゃんが便秘に?」でお伝えしています)。
顔を真っ赤にしていきむのに出ない — 「下手っぴ」なだけのことも
うなり声をあげ、足をバタバタさせて、顔を真っ赤にしていきんでいるのに出ない。そんな姿に心配になるお母さん・お父さんも多いと思います。
うんちを出すには、お腹に力を入れる(アクセル)と同時に、おしりの筋肉をゆるめる(ブレーキを離す)という、実は高度な動きが必要です。赤ちゃんはまだこの動きが未熟で、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状態になりがちです。これは「乳児排便困難症」と呼ばれ、多くは病気ではなく、成長とともに上手になっていきます。
今は「まだ判定しない」ことが大切
この時期は、腸も排便の力も、どんどん育っている途中です。だからこそ、今の時点ではまだ「本当の便秘」かどうかを判定しないことが大切です。
過度な心配はいりません。ただ、病気が隠れていないかをクリニックで確かめながら、定期的に様子を見ていくと安心です。そのうえで、その子にとって無理のない排便のスタイルを、一緒に見つけていきます。
こんなときは、早めに受診してください
次のようなサインがあるときは、様子を見すぎずに受診してください。
・ 機嫌が悪い、母乳やミルクの飲みが悪い、吐く
・ 体重が増えない
・ お腹がパンパンに張っている
・ 生まれてすぐからずっと出にくく、お腹が張る(腸の神経の病気など、小児外科の病気が隠れていることがあります)
・ うんちが硬く、出すときに痛がる・血がつく
・ うんちが白っぽい(灰白色):母子手帳の「便色カード」と見比べてください。すぐに受診が必要なサインです
よくあるご質問
Q. 赤ちゃんは、何日うんちが出なければ便秘ですか?
日数だけでは決められませんが、目安として、離乳食の前なら2〜3日に1回は出しておきたいところです。それより長くあく、何日も出ずに苦しそうにしている、お腹が張っている、上のようなサインがあるときは、一度ご相談ください。回数とあわせて、機嫌・飲み・体重の増え方・出るときの様子を見ることが大切です。
Q. 母乳だと、うんちの回数は減りやすいのですか?
母乳は消化・吸収がよいため、うんちの量が少なくなり、回数が減ることがあります。機嫌や体重の増え方が順調であれば、多くは心配いりません。そのうえで、2〜3日に1回は出すリズムを目安にしておくと安心です。
Q. 家でできることはありますか?
お腹をやさしく「の」の字にマッサージしたり、足を曲げ伸ばしする体操をしたりするのもひとつです。綿棒でおしりを刺激する方法もありますが、やり方や頻度は、一度医師に相談してから始めると安心です(下の関連記事でも解説しています)。
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「うちの子はどうだろう」と確かめてみたい方へ
「うんちの回数が減って心配」「このまま様子を見ていていいのか分からない」ときは、お一人で抱え込まずにご相談ください。当院の便秘外来では、小児外科専門医が、赤ちゃんの機嫌・飲み・体重の増え方と、お腹の様子をエコーで確かめながら、今は見守ってよい時期なのか、手助けが要る時期なのかを一緒に判断します。遠方の方の受診の窓口も、下のページにまとめています。
ご予約は、当院ホームページの予約システム(デジスマ診療アプリ)から承っています。
すでに通院中の方へ:回数の変化や、いきむ様子で気になることがあれば、次の診察でそのままお聞かせください。
– 栄養外来のご案内|血液検査で、腸を動かす材料が足りているかを確かめます
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小児外科医 小森広嗣🩺栄養×お腹 @KomoriKodomoCL
この記事の執筆・監修者
小森こどもクリニック 院長 小森 広嗣(こもり こうじ)
小児外科専門医・指導医、医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、東京都立小児総合医療センター外科医長などを経て、小森こどもクリニックを開院。小児外科の出身として、いまは地域の中で、お腹と栄養の外来を深く追求している。
「成長の感動や喜びをお子さん・ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育てができる社会を創る」ことを自身のビジョンとし、診療と情報発信の両輪で活動している。
▶ 著書:『うんちが出ない!』(英智舎・2026年12月9日発売)
▶ 取材・講演のお問い合わせ:press@komori-kodomo.com