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【子どもの便秘】酸化マグネシウム(カマ)を長く内服しているのだけど高マグネシウム血症(中毒)の心配はないでしょうか?

酸化マグネシウム(カマ、重カマ、カマグ、マグミット、マグラックス)は、小児の便秘薬として、処方の頻度が高い便秘薬で、実際多くのお子さんが飲まれています。

子どもがずっと飲んでいて大丈夫?中毒「高マグネシウム血症」にはならないの?というご質問を多くいただきます。

 

✅小児で酸化マグネシウム内服による高マグネシウムのリスクは?

 

小児の酸化マグネシウムの内服は極めて安全性が高いというのが結論です。

 

小児慢性便秘症診療ガイドライン(2015)での報告では、便秘の他に病気がなく、小児の一般的な用法、用量で酸化マグネシウムの治療を受けられているお子さんでの、国内外での論文や医薬品の副作用に関するデータベースでの調査では高マグネシウム血症の報告はなかったと記載されています。

また、上記ガイドラインの作成委員の方々が、酸化マグネシウムを飲んでいるお子さんの血中のマグネシウム濃度を調べたところ、腎臓に問題がないお子さんでは、血中マグネシウム値が問題なるケースはなかったと報告されています。

現在までに報告されている、高マグネシウム血症の患者さんのほとんどは成人、特に高齢者で、もともと腎臓などに病気をもっておられる方です。

 

✅高マグネシウム血症の症状は?

 

血中のマグネシウム濃度が基準値を超えることをいいます。

正常基準値は1.6−2.6mg/dLと報告されています。)

 

✅通常の酸化マグネシウム内服では?

 

通常は酸化マグネシウムを多く摂取しても、余分なマグネシウムはおしっこで排泄されます。

正常に腎臓が働いている状態では、体にとって余分なマグネシウムは尿へ排泄されるので、基準値を少し超える程度では問題になりません。カマを内服していると、正常値をわずかに超えることはありますが、問題になるレベルになることは極めて少ないと言えます。

 

✅背景に腎臓の病気などがあるとリスクがあがります

 

高マグネシウム血症は、軽度の上昇では症状が出現しませんが、

問題があるレベルになると、具体的には、血中マグネシウム5mg/dLを超えると、嘔吐や筋脱力、傾眠、徐脈、低血圧などがみられ、12mg/dL以上になると、意識混濁 、消失や呼吸筋麻痺が生じ、15mg/dLを超えると、心停止に至ることもあります。

 

リスクがある方(腎機能障害がある、高齢の方)は以下の症状に注意し、高マグネシウム血症の症状をチェックしましょう。

 

✔️頭痛・吐き気・嘔吐

✔️たちくらみ・めまい

✔️脈がおそくなる

✔️体がだるい、力が入りにくくなる

✔️眠気でぼんやりする、うとうとする

 

まとめ

 

便秘の治療は、決められた量の薬をキッチリ飲むことから始まります。その上で、今の内服治療でうまくいっているならば続けましょう。うまくいっていないと感じているなら、まずは主治医に相談しましょう。

「うまくいっている」とは、毎日、すんなり、すっきり、しっかり排便ができていることです。

便秘の治療は、根気と時間がかかります。だからこそ、正しいレール「=うまくいっている」の上で治療を継続することが大事です。今の治療がうまくいっていないと感じる場合には、当院の便秘外来でご相談ください。

🔹小児便秘外来の受診の方法について

 

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院長 小森 広嗣
記事監修
院長 小森 広嗣
(こもり こうじ)

慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士

小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。

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