キズを、少しでもきれいに治す方法のひとつとしてキズ跡にテープを貼る(テーピング)治療があります。
当院では、ケガややけどをしてしまったのだけど、少しでもキズをきれいに治したいと考えていらっしゃるお子さまに、おすすめしております。
※急性期はワセリンガーゼ法による保湿が大切です→ワセリンガーゼ法についての記事はこちらから。
🔸キズの急性期(〜10日)
キズは一般的に1週間から10日ほどでくっつきますが、その後も傷跡(キズあと)は変化が続きます。
🔸キズの増殖期(〜数ヶ月)
最初の数ヶ月間は、キズの中の細胞がもっとしっかり傷をくっつけようと活動が活発になり、キズ跡は段々赤くなります。
🔸キズの成熟期(〜半年から1年)
その後は半年(から1年)くらいかけて、徐々に活動が沈静化し、赤い色も薄くなっていきます。
キズの中の細胞の活動が活発な時期に、引っ張られたり(緊張)、日焼けをしたり(紫外線)、乾燥などの刺激が加わると、キズの中の細胞が過剰に反応してしまい、キズ跡が太くなったり、赤く盛り上がったり、色素沈着(シミ)が発生します。
テープを張っておく(テーピング)ことで、伸び縮みや紫外線の刺激が少なくなり、キズがよりきれいになる環境を作ります。
🔹テーピングの目的
⭕️安静
キズが引っ張られ、キズ跡の幅が広がる(肥厚性瘢痕、ケロイド)ことを防ぎます。
⭕️遮光
紫外線による刺激を減らし、色素沈着(シミ)を予防します。
⭕️保湿
乾燥による皮膚防御機能の低下を予防します。
🔹テーピングの方法
・入浴前にテープをはがし、通常通り洗浄します
・キズあとに対して垂直な向きにテープをはります
・少しテープを引っぱりながら、皮膚をよせるようにして貼るとよいです。
(ただし、ひっぱりづらい場所では無理せずにそのまま貼っても構いません。)
🔹テーピングの張り替え
小児では原則、毎日張り替えることをおすすめしています。
ただし、汗の量や肌質(乾燥肌や敏感肌など)に応じて、毎日張り替えるか、数日おきに張り替えるかを調節しても問題ありません。
少なくとも、1/2以上剥がれてきたら張り替えるとよいです。
🔹テーピングの期間
キズ跡が安定するまでの半年を目安に行いましょう。
特に、キズの増殖期である1〜3か月間は続けることをおすすめしています。キズの成熟が終わる半年(〜1年)まで行うとより確実です。
🔹テープでかぶれる、赤くなる(皮膚トラブル)場合
ほかの医療用テープを試してみましょう(複数のテープが市販されています)。
赤みがよくなるまで数日テーピングをお休みする日を作ってください。
皮膚炎が強く、よくならない場合には、医療機関を受診してください。
【参考:テープの種類】
・優肌絆(日東メディカル社)・・・肌にやさしいが剥がれやすい
・マイクロポアメディカル(住友スリーエム社)・・・中間的
・サージカルテープ(3Mマイクロポア)・・・粘着力が強い、刺激がやや強い
(薬局等でお求めください)
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小森 広嗣
小森こどもクリニック院長
日本小児外科学会 小児外科専門医
【医院名】小森こどもクリニック
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慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。