★「とびひ」の正式な病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といいます。
あせも、湿疹、虫刺され、すり傷などにばい菌(化膿菌)が入り込んで、みずぶくれができます。これらをかきこわした手で他の場所をかくと、そこにまた水ぶくれが「とびひ」します。
みずぶくれがあっという間に全身に広がっていく様子が、あたかも火事の火の粉が飛び火することに似ているため、「とびひ」と呼ばれています。
★どんな病気でしょうか?
化膿菌が皮膚に入り込むことで、
みずぶくれ(水疱:すいほう)やジクジク、かさぶた(痂皮:かひ)を作ります。
化膿菌は、体の表面、鼻や喉に住んでおり、例えば、鼻水でよく鼻を触るお子さんが、カサカサの皮膚をひっかくことで菌が入り込み、そして飛び火していきます。
主にみずぶくれができるもの(水疱性膿痂疹:すいほうせいのうかしん)とかさぶたができるもの(痂皮性膿痂疹:かひせいのうかしん)の2種類があり、前者は黄色ブドウ球菌で、後者はA群溶連菌によるとされています。
実際には、後者(かたぶたタイプ)もブドウ球菌が優位ですので、見た目の違いで、菌の違いを区別することは難しいので、治療も同じなので、両者を分けて治療をすることはありません。
★どんな治療をするのでしょうか?
1. 抗生物質の飲み薬やぬり薬で治療します。
原因となるばい菌を退治する治療を行います。
2. スキンケアをします
元々お肌が弱いお子さんもいらっしゃいますので、湿疹の手当てに加えて、肌のお手入れをして、肌の状態をよくしていくことが大事です。また、痒みがつよい場合には痒みを抑える治療をします。
★家庭で気をつけることは?
(1)入浴をしましょう
皮膚を清潔に保つことが大事なので入浴は続けましょう。
幹部はこすらず、石けんをよく泡だて、泡で丁寧に洗い、その後はシャワーでよく洗い流しましょう。湯ぶねにつかれ
るかは医師と相談しましょう。
(2)タオルや衣類は共有しないようにしましょう
(3)爪を短くきり、石けんでよく手を洗いましょう
★注意事項
Q1登園・登校について
患部が乾燥してかたまれば登園は登校をしてかまいません。
出席停止が義務付けられた病気ではありませんが、とびひの程度にもよりますが、1,2日はお休みしたほうがよい場合もあります。また、通園・通学先の規則にもよりますので、医師、担任の先生、保育士さんと相談して決めていきましょう。通園・通学をする場合には、とびひの場所により患部をガーゼや包帯で保護したほうがよい場合があります。
Q2プールについて
プールに入ると、症状がひどくなったり、他のお子さんにうつしてしまうこともあるので、治るまでは原則やめましょう。
Q3こんな時はすぐに病院に来てください
熱がでたり、顔や体が赤く腫れてきたときはすぐに受診をしてください。また、治療が始まり2日以上たっても水ぶくれがふえるときはもう一度診察をうけましょう。
慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。