🔹舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)とは?
舌の裏側の真ん中で口の底に向かっているヒダを舌小帯(ぜつしょうたい)といいます.
このヒダが生まれつき短いことがあり,これを舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)といいます.
🔹舌小帯短縮症で何が問題なのでしょうか?
舌小帯が短いために、舌の運動が制限され、哺乳や摂食の障害、また言葉の障害がおきる場合があることです。
ただし、舌小帯短縮症でもほとんどの赤ちゃんはうまく哺乳ができますし、
逆に、哺乳に問題があるお子さんでも、舌小帯短縮症が原因と言えるのはほんの一部といわれています。
また、うまくしゃべることができないときにも、舌の先の動きが悪い機能性構音障害という病気の場合もあります。
このように、舌小帯短縮症が100%原因であると判定を下すことも難しいので、
医師の間でも一定のコンセンサスが得られていないのが現状でもあります。
お子さんごとに判断をして治療方針を決めていく必要があります。
🔹手術はどんな時に適応と考えるのでしょうか?
※当院の舌小体短縮症の治療方針についての記事もご参照ください※
赤ちゃんにおいてミルクがうまく飲めていない場合で、見た目の目安としては、
舌の先を上の歯の裏の歯肉に付けられない場合や、
舌を出したときに舌の先の中央がハート形にくびれてしまう場合は手術適応と考えます。
将来「あっかんべー」をしたときに、違和感が残る可能性がある場合にも、
外来で治療がすむのであれば、少しだけでも切開をしておくことは意義があるのではと考えています。
うまく飲めているかどうかの判断は難しい場合もあるので、実際にお子さんを拝見し、
また家での哺乳の様子を教えていただき、手術ををするかどうかを考えていく必要があります。
目安は、おっぱいを飲むのに時間がかかる、吐き出しやすい、空気ばかりのんでしまう。
🔹手術はどのような方法でしょうか?
局所麻酔をしたうえでハサミなどを用いて舌小帯を切ります.
外来で治療が可能です。
🔹対象年齢・時期
外来で行う場合には、生後2,3ヶ月までに行うことを推奨しています。
遅くとも、歯が生えてくる前の6~12ヶ月くらいまでが適応と考えています。
外来で行うメリットは、全身麻酔が避けられること、
また、切開をした直後からミルクが上手に飲めるようになることです。
切る部分は粘膜なので、切った後に縮んでまた短縮(癒着)してしまうことがあります。
癒着しないように(再手術とならないように)、
自宅で舌をよく動かす練習をしていただきます。
また、程度が強いタイプは、短縮を予防するために特殊な形成術を加えることもありますので、
入院での治療が必要となります。
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小森 広嗣
小森こどもクリニック院長
日本小児外科学会 小児外科専門医
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慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。