2017年10月01日

監修:小児外科専門医 小森 広嗣(小森こどもクリニック院長)/最終更新:2026年9月30日
この記事のポイント
・ 子どもの便秘は、回数だけでは決められません。「すんなり・しっかり・すっきり」の3Sで考えます
・ 治療のゴールは、大きくなったときに、うんちのことで困らず、ほかの大事なことに集中できること
・ 治療が必要かどうか、目標と進め方は、成長に合わせて定期的に見直していきます
「うちの子は、そもそも便秘なの?」「なかなかよくならないけれど、今のままでいいの?」。子どもの便秘は、ご家族の理解がとても大切な病気です。この記事では、当院の便秘治療の目標と考え方を、赤ちゃんから大きなお子さんまで通して整理します。くわしい内容は、途中の記事一覧から読み進めてください。
子どもの便秘の定義 — 回数ではなく「3S」で考える
子どもの便秘には、一応の基準はあるものの、実際には個人差がとても大きく、ひと言では決められません。当院では、うんちの回数よりも、3S(すんなり・しっかり・すっきり)で出せているかを大切にしています。
・ すんなり:痛がらず、時間をかけずに出せる
・ しっかり:十分な量が出る
・ すっきり:出し切って、残った感じがない
毎日でも、1日おきでも、3日に1回でも、3Sがそろい、直腸がスリムに保たれていれば、それがその子のリズムです。反対に、毎日少しずつ出ていても、直腸にたまり続けていれば便秘です。そのうえで、「今、何に困っていて、この先どんな問題が予想されるか」を含めて、全体から判断します。
治療のゴールは「うんちのことで困らない毎日」
めざすのは、大きくなったときにうんちのことで困らず、ほかの大事なことに集中していけることです。そのために、成長の段階に合わせて排便の状態を確かめながら、バランスのとれた治療と練習を続けていきます。
だから、「何日おきに出ていれば大丈夫」と一律には決められません。一人ひとりの「今の目標」をいつもはっきりさせながら、外来で治療を進めていきます。
治療の進め方 — 判断する、目的を決める、軸をぶらさない
・ まず、治療が必要な便秘かどうかを判断する
・ 必要なら、治療の目的と方向性をはっきりさせる(痛みをなくしたい、トイレで出したい、漏れをなくしたい など)
・ 治療の軸をぶらさずに、自信をもって練習を続ける
・ 成長や生活の変化に合わせて、定期的に見直す
今は治療が必要なくても、成長や生活の変化で、治療が必要になることもあります。定期的に見直していくことが大切です。
「軸をぶらさない」と「見直す」は、矛盾しません。当院では、治療の3つのルールとしてお伝えしています。
・ 変えないもの(軸):3Sが崩れて困りごとが出る状態に戻らないこと。そして、治療をやめないこと
・ 決めたら守るもの(進め方):次の見直しまでは、その日の気分では変えない
・ 変えていいもの(見直し):生活が変わったときや、診察でエコーや排便の様子を確かめたときは、進め方を上げても下げてもかまわない
当院の役割 — 判断を続け、目標を示し、ご家族を勇気づける
当院の役割は、治療が必要かどうかの判断を続けること、その子に合った排便の目標を示すこと、そして「このままでいいのだろうか」と不安になったご家族を勇気づけ、方向がぶれないように応援することだと考えています。
段階ごとに読む — 子どもの便秘の記事一覧
赤ちゃんの便秘(0歳〜)
・ 新生児・赤ちゃんのうんちの回数が減った?生後2〜3か月に多い理由と受診の目安
・ 赤ちゃんのうんち、何回なら大丈夫?排便回数の目安と「3日出ない」ときの考え方
・ 離乳食で赤ちゃんが便秘に?5〜6か月は便秘の見極めどき|練習を始める目安
治療が必要かを見極める
・ 子どもの便秘、治療が必要かは「直腸の太さ」で見極める|回数だけでは分からない理由
・ 排便の練習は筋トレと同じ|「まだ大丈夫」の先送りが子どもの便秘を長引かせる理由
浣腸・リズム作りの練習
・ 排便リズムとは?浣腸トレーニングで子どもの便秘のリズムを作る理由と続け方
・ 「前向きな浣腸」と「後ろ向きな浣腸」|同じ浣腸でも、子どもの便秘が治る道は使い方で変わる
・ 浣腸は自転車の「補助輪」|両輪→片輪→卒業、子どもの便秘の練習の進め方
・ 浣腸でしか出ないのは大丈夫?「自分で出す力がなくなる」心配への答え
・ 浣腸を嫌がる子、続けるべき?|イヤイヤ期で心が折れそうなご家族へ
・ グリセリン浣腸は危ない?癖になる?|子どもの便秘、飲み薬との違いと安全な続け方
続ける・見通しを持つ
・ 子どもの便秘はいつ治る?治療期間の目安「三分の一の法則」と、医師が伴走する理由
・ 子どもの排便日記(排便チェック表)のつけ方|記録する項目と、便秘の治療に役立つ理由
・ 子どもの便秘が「開通」したら、次は?出たあとに大切な練習の続け方
・ 便秘の治療が長くてつらいご家族へ|変化はある日突然やってくる——小さな前進の見つけ方
生まれつきの病気と便秘
・ 鎖肛(さこう)とは?赤ちゃんの鎖肛は治る?|手術のあとの排便トレーニングと学校での工夫
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年齢ごとの便秘の特徴と対応をまとめています。
▶ 子どもの便秘と栄養|鉄・ビタミンD不足と「入れる順番」
便秘が長引くお子さんの背景にある栄養を、便秘専門サイトで解説しています。
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「うちの子はどうだろう」と確かめてみたい方へ
「そもそも便秘なのか分からない」「治療が思うように進まず、モヤモヤしている」ときは、ご相談ください。当院の便秘外来では、小児外科専門医が、成長の段階に合わせて全体像をとらえ、治療が必要かどうかの判断から、その子に合った目標と進め方までを一緒に考えます。遠方の方の受診の窓口も、下のページにまとめています。
ご予約は、当院ホームページの予約システム(デジスマ診療アプリ)から承っています。
すでに通院中の方へ:「このままでいいのかな」と思ったときこそ、次の診察でお聞かせください。目標と進め方を一緒に確かめ直します。
– 栄養外来のご案内|血液検査で、腸を動かす材料が足りているかを確かめます
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診察室の外の発信
診察室では話しきれないこと、医師が何を考えながら診ているのかを、Xでも書いています。
小児外科医 小森広嗣🩺栄養×お腹 @KomoriKodomoCL
この記事の執筆・監修者
小森こどもクリニック 院長 小森 広嗣(こもり こうじ)
小児外科専門医・指導医、医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、東京都立小児総合医療センター外科医長などを経て、小森こどもクリニックを開院。小児外科の出身として、いまは地域の中で、お腹と栄養の外来を深く追求している。
「成長の感動や喜びをお子さん・ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育てができる社会を創る」ことを自身のビジョンとし、診療と情報発信の両輪で活動している。
▶ 著書:『うんちが出ない!』(英智舎・2026年12月9日発売)
▶ 取材・講演のお問い合わせ:press@komori-kodomo.com