包茎(ほうけい)とは、おちんちんの皮(包皮)をひっぱっても、尿道口(おしっこの出口)が見えてこない状態です。包皮が全くむけないものを真性包茎、むくことが出来るものを仮性包茎と呼ぶこともあります。男の子は包茎の状態で生まれてきます。成長とともに、包皮が少しずつむけ、尿動口が見えるようになってくるものですが、包皮のかぶり方が強いと治療が必要な場合があります。
特に、
- 尿がうまく出せない、真っすぐ飛ばない
- おしっこに痛みを伴う
- 包皮炎(感染)を繰り返す
などの症状がある場合は、受診をおすすめします。
包茎治療の目標
立っておしっこをするときに(2~3歳くらいが目安)、まっすぐおしっこが飛ぶようにしてあげるのが目標です。また、排尿時の痛みや感染(包皮炎)を繰り返す場合は早期(いつでも)に治療が必要です。
外来での治療を行います。きつくなった包皮を、尿道口がしっかり見えるように、皮をむく処置を行っていきます。治療を続けていくことで、包皮をひっぱれば、簡単に尿道口(にょうどうこう)が見える状態をまずは目指します。
小学生になっても全く剥けない場合には、早めに受診してください。皮膚が固くなりむけないと手術が必要になる場合もあります。
治療
包茎は症状によって、治療内容が異なります。
包茎が高度
包茎が強いため、自宅での処置が難しいタイプです。まずはクリニックに通院していただき、外来での処置を主体で行います。自宅でのブジー(皮をむく)ができる状態を目指します。もとに戻りやすいため、1、2週間おきに通院していただき、処置を繰り返します。
包茎が中等症
包茎の程度は中くらいで、尿道の先端は見えるくらいまでにはなっており、自宅(本人、ご家族)でもちょっとは尿道が出せるくらいの段階です。自宅のブジーもできているのですが、まだクリニックの処置をすることで、もう少し、包皮がむける状態になるように処置を行う必要がある段階です。月に1回程度の受診をしていただきます。まだお手伝いが必要な状態です
包茎が軽度
自宅(本人、家族)で、尿道先端は簡単に出せる状態にはなっています。まだ癒着は残っているか、あるいは包皮の硬さが残っており、ブジーを怠ることで、包皮の硬さが元に戻るリスクがある段階です。元に戻ることがないよう(尿道先端が出せなくならないよう)、2~3か月に1回受診していただき、包皮の状態が問題ないか、ブジーの手技が問題ないか、時々確認していきます。
ホームケアでお気をつけいただくこと
お風呂のときに、尿道(おしっこの出口)が見えるまで、おちんちんの皮を手前にひっぱり、戻す、を2~3回繰り返しましょう。おちんちんの皮は、必ず、もとに戻してください。
指示がある場合には、入浴後にステロイド剤を皮の先端に塗布します(全身への副作用の心配はほとんどありません)。
清潔は大事ですが、普通にお風呂に入っていれば大丈夫ですので、おちんちんだけを一生懸命洗う必要はありません。
陰部に恥垢(恥垢)と呼ばれる黄白色のかたまりのようなものが見えることがあります。これは垢(あか)がたまったもので、無理に皮をむいて洗わないようにしましょう。恥垢は放置しておいて大丈夫です。
包皮の出口である包皮輪がきつい場合は、無理におちんちんを露出させると、包皮がもとに戻らなくなることがあるので、無理に包皮をむくのはやめましょう。包皮がもとにもどならなくなった場合は、すぐに小児科へ受診してください。
このような時は受診しましょう
小児期の包茎は決して病的なものではありません。しかし、生活に支障をきたすものであれば健康上に問題が生じることもあるため、治療を行う必要があります。
具体的には、
- おしっこがまっすぐ飛ばない
- おしっこのときの痛みを繰り返す(亀頭包皮炎)
- 尿路感染症を繰り返す
- 小学生になっても全く皮がむけない
などの症状がある時は、包茎により健康上に問題が生じる可能性があります。
当院では、お子さんの包茎に対するお悩みや治療をお受けしています。
気になる症状がある時は、当院までご相談ください。