栄養指導って、具体的に何をするの?|小児科|栄養外来・便秘専門外来なら小森こどもクリニック|根本治療に対応

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栄養指導って、具体的に何をするの?

栄養指導って、具体的に何をするの?|小児科|栄養外来・便秘専門外来なら小森こどもクリニック|根本治療に対応

2026年7月10日

栄養指導って、具体的に何をするの?

「子どもの栄養が気になって調べてみたけれど、情報があふれていて何が正解かわからない」

「PFCバランス(たんぱく質・脂質・炭水化物の比率)とか、やっぱりきっちり計算して見た方がいいんでしょうか?」

「クリニックの栄養カウンセリングでは、具体的にどんな指導をされるんですか?」

日々、栄養外来で親御さんとお話ししていると、時々こうしたご相談をいただきます。 みなさん、お子さんのために毎日の食事に真剣に向き合っているからこそ、悩まれるのだと思います。

当院には、便秘や疲労感、朝起きられない、気分の波や癇癪など、さまざまな不調を抱えるお子さんが来院されます。そうしたご家族に伴走するにあたって、私たちは独自の「栄養カウンセリングのスタイル」をとても大切にしています。

それは、「今の食事を土台にして、できるところから足し算・引き算をしていく」というスタイルです。

「栄養指導」というと、1日の摂取カロリーや厳密な栄養素の比率を決めるイメージがあるかもしれません。では、私たちは実際のカウンセリングの中で、カロリーやPFCバランスといった「数値」をどう捉え、どう使っているのか。

今回は、その具体的な進め方についてお話ししたいと思います。

結論:数値は「見ます」。でも、数値だけでは「決めません」

先に結論をお伝えします。

当院の栄養カウンセリングでは、年齢ごとのカロリーやPFCバランスの基準は、前提知識として持っています。しかし、その数値をそのままお子さんの食卓に当てはめたり、毎食のグラム数を指定したりすることはしません。

なぜなら、お子さんにとっての本当の基準は、一般的な計算上の数値ではなく「いま実際に食べている量」と「いまの体調や症状」にあると考えるからです。

当院の栄養カウンセラー(オーソモレキュラー認定ONE)が評価するのは、「マニュアルの数字とどれくらいズレているか」ではありません。いまの食事内容と症状を照らし合わせ、「たんぱく質が不足気味だな」「糖質に偏っているな」という体のサイン(偏り)を読み解くことです。

ただし当院では、その数値を「守るべきゴール」としてそのまま食卓に持ち込むのではなく、あくまで判断の道具として使い、実際の食事はお子さんの体調や暮らしに合わせて柔軟に組み立てていきます。

ひと言でまとめるなら、こうなります。

「数値を参考にしながら、お子さんの体調と生活に合わせて、現実的に続けられる食事へ整えていく」——これが当院の栄養外来です。

では、このスタイルの背景にある考え方を、順を追ってご説明します。

そもそもPFCバランスとは ―― 国の基準でも「範囲」で示されている

PFCバランスとは、エネルギー(カロリー)のうち、たんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)がそれぞれ何%を占めるか、という考え方です。

これは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、「エネルギー産生栄養素バランス」として示されています。子ども(1歳以上)の目標量は、おおむね次のとおりです。

・ たんぱく質:13〜20% ・ 脂質:20〜30% ・ 炭水化物:50〜65%

ここで、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。

この数値は、「ちょうど何%」という一点ではなく、幅のある「範囲」として示されているという点です。厚生労働省の報告書自身が、次のように述べています。

「それぞれの栄養素の範囲については、おおむねの値を示したものである」

「範囲に関しては、おおむねの値を示したものであり、弾力的に運用すること」

つまり、国の基準そのものが、PFCバランスを「厳密に守るべき正解の数字」ではなく、「弾力的に運用する、おおよその目安」として位置づけているのです。(※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」エネルギー産生栄養素バランスより)

さらに、国民に食事の目安を伝えるための「食事バランスガイド」も、細かいグラム計算ではなく、主食・主菜・副菜などを「つ(SV)」という料理単位で数える設計になっています。ご飯小盛りを1つ、卵1個分の主菜を1つ、というように、日常で把握しやすい「見た目の量」で捉える方法です。

国の考え方も、突き詰めれば「まず、おおまかに、続けられる形で捉える」ところから始まっているのです。

子どもの食事と数値管理 —— 大切な前提

グラム単位・PFC比率での厳密な管理が力を発揮する場面はあります。たとえば病院に入院し、決まった食事が提供される環境や、特定の病気の治療食では、「何kcal、たんぱく質何g、脂質何g」という精密な管理が大きな意味を持ちます。

一方で、ご家庭で暮らす子どもの日常の食事となると、状況はまったく異なります。私たちが「続けられる足し算・引き算」を中心に据えているのは、次のような理由があるからです。

1. 子どもの食事は、毎日同じにはならない

子どもが食べられる量は、その日の食欲、体調、活動量、学校生活、便通、好き嫌い、気分によって大きく変わります。成長期には必要量そのものも動きます。「今日は給食を半分残した」「今日はよく食べた」——これが子どもの日常です。

理論上は「たんぱく質何g」と目安を出すことはできます。けれど、毎食その数字どおりに食べさせることは、現実にはとても難しいのです。

2. 数字の管理が、食卓を苦しい場所にしてしまうことがある

毎食を数字で管理しようとすると、食事は「達成できたか、できなかったか」を毎回採点する時間になりがちです。親御さんは疲れ、お子さんは食べること自体がプレッシャーになってしまう。

食事療法は、親御さんが毎食を厳しく管理するためのものではありません。 お子さんの体が楽になり、家族が穏やかに食卓を囲めることの方が、ずっと大切です。

3. 続けられなければ、効果は出ない

栄養療法でいちばん難しいのは、検査でも知識でもなく、「わかったことを毎日続けること」です。どれほど理想的な数値プランでも、ご家庭で続けられなければ、体は変わりません。「正確だけれど続かない計画」より、「多少おおまかでも続けられる調整」の方が、結果につながります。

4. 子どもは「数値」だけでは診られない

私は小児外科医として、長年たくさんの子どものお腹を診てきました。その経験から言えるのは、子どもの不調は、食欲・発達・便通・睡眠・お腹の状態・親子関係まで含めた「全体」を見なければ整わない、ということです。血液データや栄養バランスは、その全体を読むための大切な材料の一つ。けれど、材料の一つにすぎません。

私たちのやり方 ―― 「今の食事」を土台にした足し算・引き算

では、当院は具体的にどうするのか。答えはシンプルです。

理想の食事をゼロから設計して押しつけるのではなく、「今食べているもの」を土台にして、そこに少しだけ足し算・引き算をしていく。 これが当院の栄養カウンセリングの中心です。

そして、この足し算・引き算には、分子栄養学に基づいた明確な「方向性」があります。ただ闇雲に整えるのではありません。体をつくる材料であるたんぱく質を底上げし、血糖を乱高下させやすい甘いものや精製された糖質を控え、脂質は「量」よりも「質」を大切にする——こうした優先順位に沿って、今の食事を一歩ずつ整えていきます。

たとえば、こういう調整です。

・ 主食だけになりがちな朝食に、卵や納豆などのたんぱく質を「一つ足す」

・ 甘い間食に偏っているなら、体を支える食品に「少し置き換える」

・ 主食だけの食事に、おかずを「組み合わせる」

・ お腹の張りや便通に合わせて、食物繊維や発酵食品の使い方を「調整する」

・ 食べられない子は、無理に増やさず「食べられる範囲」から始める

量の目安も、グラムではなく「見た目」でお伝えします。主食はこぶし1つ分、たんぱく質のおかずは手のひら1枚分、副菜は片手から両手分——このくらいを最初の目安に、あとはお子さんの体調を見ながら整えていきます。

「今より少し整った形にする」。この積み重ねが、いちばん確実に体を変えていきます。

数値の「使い方」—— 私たちが本当に見ているもの

ここで、当院が数値をどう「使っている」のかを、もう少し具体的にお伝えします。

PFCバランスやカロリーの考え方は、足し算・引き算の「方向」を判断するための土台です。この土台があるからこそ、「今どこを足し、どこを引くべきか」が見えてきます。

・ 食事量が全体的に少なくないか

・ 主食や甘いものに偏っていないか

・ たんぱく質が不足していないか

・ 朝食が糖質中心になっていないか

こうした「偏りの方向」を読むために、栄養バランスの視点は欠かせません。

さらに言えば、当院が土台にしている分子栄養学(オーソモレキュラー)は、「1日に何キロカロリー摂れたか」という“量”の先にある“質と機能”を見る学問です私たちが本当に大切にしているのは、「今、体の中で、どの栄養素が足りていて、それがきちんと働けているか」という視点です。

たとえば、同じ量を食べていても、たんぱく質が足りなければ体の材料が不足します。鉄や亜鉛、ビタミンが足りなければ、せっかく摂った栄養も十分に働けません。血糖値が乱高下すれば、気分や集中力、朝の目覚めが不安定になります。こうした“体の中身”は、カロリーやPFC比率の計算だけでは見えてきません。

だからこそ当院では、血液検査で栄養状態を確認するだけでなく、必要に応じて腸内環境や腸の炎症の状態まで、複合的に体の中を診ていきます。たんぱく質・鉄(フェリチン)・亜鉛・ビタミン・脂質・糖代謝・炎症などを一つひとつバラバラに見るのではなく、「点」ではなく「つながり」として読み解き、「この子の体では、いま何が起きていて、どんなふうに食べていくのが良いのか」を組み立てていきます。

ここに、当院ならではの強みがあります。院長は、長年たくさんの子どものお腹を手術で診てきた小児外科専門医です。「栄養という”材料”の状態」と、「それを受け取る腸という”吸収の場”の状態」を、両面から重ねて診られる——これは、栄養だけ、あるいは検査数値だけを見るアプローチとは大きく異なる、当院ならではの視点です。どんなに良い栄養を足しても、それを受け取る腸が荒れていれば、体はなかなか変わらないからです。

このあたりの「体の中の診方」については、記事でも詳しくご紹介しています。

・ 当院の栄養外来(分子栄養学)の全体像
→ 子どもの不調を栄養で改善|分子栄養学とは 

・ 血液検査を”栄養の視点”で読み直すとは
→ 「異常なし」と言われた血液検査を読み直す 

・ 腸の状態(腸もれ・腸管バリア)について
→ 子どもの「リーキーガット(腸もれ)」とは 

・ 検査の種類や費用の詳しいご案内
→ 栄養外来|詳しい治療内容と費用

こうして厳密に見るべきところは検査データでしっかり押さえる。そのうえで、毎日の食事は「続けられる足し算・引き算」に翻訳していく。 この二段構えが、当院の栄養療法です。

つまり当院の栄養療法は、「大切なところは検査でしっかり見たうえで、毎日の食卓では続けられる食事に翻訳する」という仕組みです。カロリーやPFCバランスが「地図」だとすれば、実際に歩く道は、お子さんの体調・性格・生活・ご家庭の状況によって変わります。私たちは、その地図を手に、お子さんに合った道を一緒に探していきます。

私たちの本当の役割 —— 「わかっている」を「続けられる」に変える

ここまでお読みいただいて、こう感じた方もいるかもしれません。「たんぱく質を足す、甘いものを控える。それくらい、言われなくてもわかっている」と。

その通りなのです。「バランスよく食べた方がいい」ことは、ほとんどの親御さんがすでにご存知です。 難しいのは、知ることではなく、それを毎日の生活の中で「続けること」です。

世の中にはこれだけ多くの食事法やダイエットの情報があふれています。それでも思うように結果が出ないのは、知識が足りないからではありません。人は、一人ではなかなか続けられないからです。

だからこそ、当院がいちばん力を注いでいるのは、「正しい献立を渡すこと」ではなく、その子とご家族が「やってみよう」と思え、無理なく続けていけるように、対話し、応援することです。ここに私たちの本当の役割があると考えています。

そのために、私たちはお子さん一人ひとりの「苦手」と「得意」を、対話の中で見つけていきます。そして、できないことを責めるのではなく、その子の得意を突破口にして、「やってみよう」という気持ちをそっと引き出します。

たとえば、ただ「甘いものを控えましょう」と言うのではありません。診察室では、お子さんと一緒に、こんなふうに「体の中で起きていること」をイメージしてもらいます。

「甘いジュースを一気に飲むと、体の中で血糖値がジェットコースターみたいにグーンと一気に上がるんだ。そのあと、その高さから今度は一気に落ちる。ねえ、階段の1段目から飛び降りるのと、2段目、3段目——どこから飛び降りたら、いちばん『こわい!』ってなると思う?」

そうやって、実際に「このくらいの高さから、ドスンと落ちる感じ」を、その子自身の体で想像してもらいます。高いところから急に落ちると、心臓がドキドキしたり、イライラしたり、急に眠くなったり、ぼーっとしたりする——それが血糖値の乱高下で体に起きていることだよ、と。

こうして「自分の体で起きていること」が腑に落ちると、子どもは驚くほど前向きに変わっていきます。頭ごなしに「ダメ」と言われたルールは続きませんが、「なるほど、だからか」と自分で納得したことは、自分から選べるようになるのです。私たちは、その子の年齢や性格に合わせて、こうした「腑に落ちる言葉」を一緒に探していきます。

シンプルなことを、その子に合った形で、無理なく続けていく。その伴走こそが、私たちの強みです。

こんな方に、当院の栄養外来は向いています

・ お子さんの体調を、食事や生活の面から整えたい方

・ 今の食事をもとに、現実的にできることから始めたい方

・ 完璧な食事管理よりも、家庭で続けられる方法を大切にしたい方

・ 一人ではなかなか続かないので、一緒に伴走してほしい方

・ 血液検査や症状を見ながら、少しずつ方向性を調整したい方

・ お子さん本人の負担や、親子の関係も大切にしながら進めたい方

ここまで読んで、「こういう進め方なら、うちの子にも合いそう」と感じていただけたなら、私たちはとても嬉しく思います。

ご受診前にお伝えしておきたいこと

当院の栄養カウンセリングは、上記のように「今の食事を土台に、足し算・引き算で整えていく」スタイルです。毎食ごとのグラム管理やPFC比率の精密な食事設計を中心としたサービスとは、アプローチが異なります。

もし、毎食の食品を数値どおりに厳密にコントロールすることを中心にお求めの場合は、それに特化した管理栄養士や専門機関の方が、ご希望に沿いやすいかもしれません。

これは良い・悪いの話ではなく、お子さんとご家族に「合うスタイル」を最初から選んでいただくためのご案内です。「受診してみたら、イメージと違った」ということがないよう、あらかじめお伝えしています。

まとめ

最後に、当院の栄養カウンセリングのスタイルを、もう一度シンプルにまとめます。

当院の栄養外来は、数値を見ます。けれど、数値だけでは決めません。

カロリーやPFCバランスは、食事を考えるための大切な目安です。国の基準でさえ、それを「弾力的に運用する範囲」として示しています。だからこそ私たちは、その目安を土台に持ちながら、「今の食事」に少しずつ足し算・引き算を重ね、お子さんが実際に食べられて、ご家庭で続けられる形に整えていくことを大切にしています。

そして、その「続ける」を一人で抱えなくていいように、対話しながら一緒に歩くこと。それが、私たちの栄養外来がいちばん大切にしていることです。

最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。今の食事に一つ足す、一つ置き換える、一つ整える。その小さな一歩から、お子さんの体は少しずつ楽になっていきます。私たちは、その道のりに一緒に伴走します。

ご予約・ご相談について

「うちの子にも合いそう」「一度きちんと相談してみたい」と思われた方は、当院ホームページの予約システムから栄養外来のご予約をお取りください。

栄養についての気になることやご不明な点は、「栄養の公式LINE」からお気軽にお問い合わせいただけます。お子さんの「今」に合わせて、一緒に一歩ずつ進めていきましょう。

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小森広嗣|こどもの栄養とお腹の専門医🌱 @KomoriKodomoCL

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この記事の執筆・監修者

小森こどもクリニック 院長 小森 広嗣(こもり こうじ)

慶應義塾大学医学部卒。都立小児総合医療センター外科医長などを経て小森こどもクリニックを開院。小児科医・小児外科専門医として数多くのおなか(消化管)の手術や治療に携わり、「こどものお腹のスペシャリスト」として消化管の構造と機能に精通する。

自身や家族の不調が栄養療法で改善した手応えから、「西洋医学だけでは届かない不調」の解決策として「栄養」の重要性を確信。「吸収の場である腸」と「体の材料となる栄養」の両面から、標準治療と分子栄養学を柔軟に組み合わせ、その子の体の土台を根本から整える「統合的な医療」を実践している。日本小児外科学会認定専門医・指導医、医学博士。

※参考資料 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書

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