まずは落ち着きましょう、大丈夫!
極論「何もしなくて(できなくて)大丈夫」です。
けいれんは数分で止まることが多いので、楽な姿勢、自然体(通常は横に寝かせてあげる)にしてあげて「見守って」大丈夫です。
けいれんで命に関わることは低いので、心配しなくて大丈夫です。まずは以下の対応をしましょう。
けいれんは、できるだけ「早くとめる」ことが必要です。
けいれんが続くと、脳にキズがのこったり、重責(じゅうせき)といって、けいれんがとまらない状態が続く(30分以上)と脳に酸素がいかなくなり危険です。
多くの「けいれん」は数分でとまりますが、なかなかけいれんが「とまらない場合」があります。そして、今回のけいれんが「すぐにとまるか?」「すぐにとまらないか?」は誰にも分からないともいえます。絶対「とまる」とは断言や予言はできないということです。
ならば、万が一にも今回のけいれんが重責(じゅうせき)にならないとは保証がないと最悪の仮定したら、「救急車を呼ぶ」ことは妥当な判断です。
特に「はじめてのけいれん」であったり、「不安、怖い」と思ったら、最悪の事態(とまらない、重責)も考慮して「救急車」を呼びましょう。ためらわなくてもよいです。
けいれんで受診(や救急搬送)されても、受診時にはとまっていることも多く、問題がなければ様子をみましょうと帰宅になります。
でも、救急車を呼んだことが早かったというのではなく、結果的にとにかくけいれんがとまってくれてよかったと思うのです。そして皆よかったと、ただそれだけです。
帰宅後は、いつもどおりの様子か?お話ができるか?けいれんが繰り返すことがないか?注意してみてあげましょう。
以下の項目が一つでも当てはまるときは、必ず緊急(救急車)で受診してください。
・5分以上けいれんがとまらない
・けいれん後に意識がもどらない
・呼びかけても反応が鈍い
・目線が合わない
・けいれんを何度も繰り返す
・唇の色が悪い
・呼吸が不規則でよわよわしい
・6か月未満
※けいれんはとまったけれど、少しでもぼーっとしている場合には、すぐに医療機関(夜間なら救急外来)を受診しましょう
数分でけいれんがとまり、元気に泣く、活気がもどってきた(いつもの様子)、アイコンタクトができる、お話ができる、ようであれば、ひとまずは大丈夫です。
このように、落ち着いているようなら、夜間なら翌日にかかりつけの病院を受診しましょう。
2回目のけいれんをおこしたら、落ち着いているようにみえても、その時は夜間救急で診察を受けたほうがよいです。
熱性けいれんの症状としては、呼びかけても反応がなく、全身をつっぱってガクンガクンと震えるような症状が典型的です。また、力が入っているのか、力が抜けているか、全身のふるえか、体の一部なのか?が情報をしてあるとよいです。慌てていると思うので、わかる範囲で大丈夫です。
余裕があればスマホで測定しましょう。
首が苦しそうなら、首元のボタンを外してあげるとよいでしょう。
嘔吐物で窒息することがないように、体ごと顔を横向きにしましょう。
※(NG)体をゆすったり、大声で叫んだり、おさえつけたりすると刺激になるのでやめましょう。
※(NG)舌をかまないように口にタオルを入れたり、親御さんが口の中に手をいれたりするのは絶対にやめましょう。呼吸のさまたげになり、嘔吐物で窒息することにもつながりかねません。
慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。