西洋医学に基づく病気の診断や治療方針の決定は、大事な柱となりますが、漢方治療を併用することで、治療の選択肢や幅が広がるため、当院では、漢方薬も大事な治療の柱として積極的に治療に取り入れています。
例えば、風邪の場合では、原因がウイルスの感染によるものなので、抗生物質は効きません。西洋医学的には、治療の中心は、咳や痰を切るお薬を用いて、症状を和らげていくことです。あくまで、本来体に備わった自然治癒力にまかせ、最終的に体からウイルスが排除されるのを待つ、というのが治療の柱になります。
しかし、同じ病気の診断でも、お子さんの体力、体質、取り巻く環境は多様性に飛んでいますので、同じ風邪で、西洋医学でいう風邪のお薬を飲んでいても、治り方は、人それぞれです。体力があれば、治療がうすんなり進む場合と、時間ばかりかかりすっきりしない場合があると思います。
通い始めた保育園、幼稚園などの集団生活で、熱ばかり出して、休んでばかり、、
風邪が治らない、副鼻腔炎や中耳炎を繰り返す、などいらっしゃると思います。
漢方治療は、「体の自然治癒力を後押しする役割」を持っていて、西洋医学による治療と相乗効果を発揮して、治る力を早めてくれる場合があります。
実は、西洋医学では対応できないのに、漢方治療が得意としていて、治療薬として漢方薬が第一選択になる病態もあります。
すなわち、漢方治療を併用することで、早く症状が改善したり、体質が改善されることで、病気を繰り返すことが減ることが期待されます。
また、漢方治療が得意とするところで、西洋医学では苦手な部分で、「なんとなく調子が悪い」、「すっきりしない」、「虚弱体質で、よく風邪を引く」、など漠然としていて診断がはっきりしないけれど、実際の生活で困っているような症状に対しても、大きな力を発揮してくれる場合があります。
また、風邪、胃腸炎などの急性疾患の治療だけでなく、
便秘、夜泣き(夜驚症)、かんしゃく、夜尿、アレルギー、思春期のイライラ(ママさんのイライラも)、寝つきが悪い、しょっちゅう風邪をひく、虚弱児などの体質改善、水イボなどにも幅広く使うことができます。
漢方薬はまずくて飲めない、と思うかもしれませんが、工夫の仕方はいろいろあります。
大きな副作用が少なく、即効性があるなど利点もあり、小さなお子さんにも安心して飲ませることができます。
是非、お気軽にご相談ください。
慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士
小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。