子どものアトピーが繰り返すとき|塗り薬と並べて整えたい「腸と栄養」の土台を小児外科医が解説|小児科|栄養外来・便秘専門外来なら小森こどもクリニック|根本治療に対応

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子どものアトピーが繰り返すとき|塗り薬と並べて整えたい「腸と栄養」の土台を小児外科医が解説

子どものアトピーが繰り返すとき|塗り薬と並べて整えたい「腸と栄養」の土台を小児外科医が解説|小児科|栄養外来・便秘専門外来なら小森こどもクリニック|根本治療に対応

2026年11月07日

子どものアトピーが繰り返すとき|塗り薬と並べて整えたい「腸と栄養」の土台を小児外科医が解説

「塗るとすぐ良くなるのに、やめるとまた出てきてしまうんです」

「ステロイドを、この先ずっと塗り続けるのかと思うと不安で」

「食べているもののせいでしょうか。何か、内側からできることはありませんか」

アトピー性皮膚炎のお子さんのご家族から、診察室でよくうかがう言葉です。かゆくて眠れない夜、かきこわした肌、毎日のスキンケア。良くなっては戻る、をくり返すうちに、ご家族も少しずつ疲れていきます。

最初にお伝えしたいことがあります。

スキンケアと塗り薬は、アトピー治療の土台です。当院も、とても大切にしています。そのうえで、再発しにくい肌を、内側から支えるという考え方があります。今日は、その「内側」のお話です。

外からのケアと、内からのケアは、役割が違います

当院では、アトピーの治療を、二つの役割に分けて考えています。

・いま起きている炎症を鎮める:スキンケアと塗り薬の役割です

・炎症が起きにくい体をつくる:食事と栄養の役割です

火事にたとえると、わかりやすいかもしれません。いま燃えている火は、まず消さなければなりません。それがスキンケアと塗り薬です。そして、燃えにくい家をつくること。それが、栄養の役割です。

どちらか一方ではなく、両方です。燃えている火を消さずに家を建て直すことはできませんし、火を消すだけでは、また燃えてしまうことがあります。

炎症が強いときは、しっかり鎮めます

「薬はなるべく使いたくない」というお気持ちは、よくわかります。その考え方にも、ちゃんと理由があります。

ただ、炎症が強いときに、塗り薬を少しだけ、こわごわ使うと、かえって長引いてしまうことがあります。かゆくて眠れない、学校や園で集中できない、かきこわして肌が傷つく。そのつらさも、お子さんにとっては大きな負担です。

炎症が強いときは、しっかり使って、しっかり鎮める。そのほうが、結果として早く減らせることが多いのです。どのくらいの強さの薬を、どのくらいの期間使うかは、肌の状態を見ながら医師と一緒に決めます。

塗り薬を自己判断で急にやめるのは、避けてください。減らし方にも、順番があります。

皮膚は、体の内側からつくられています

ここからが、「内側」のお話です。

肌は、外から塗るものだけでできているわけではありません。皮膚は、毎日、体の内側でつくられています。古い皮膚がはがれ、内側から新しい皮膚が押し上げられてくる。この入れ替わりがくり返されて、肌は保たれています。

アトピーを栄養の目で見るとき、当院では、次の3つを確かめています。

・皮膚をつくる材料が足りているか:タンパク質、亜鉛、鉄、良質な脂質

・皮膚の働きが保たれているか:汗や皮脂を出して、肌を守る力

・体の中で、小さな炎症が続いていないか

材料が足りないと、新しい皮膚をうまくつくれず、肌のバリアが弱くなります。とくに亜鉛と鉄は、皮膚や粘膜を入れ替える仕事に欠かせない栄養です。亜鉛や鉄が足りないと、皮膚だけでなく、鼻や腸の粘膜も弱くなりやすいのです。

体の中の「小さな火事」と、油の種類

アトピーのお子さんの体の中では、目に見えない小さな炎症が続いていることがあります。

この炎症に関わるのが、油の種類と、ビタミンDです。

油には、炎症を起こしやすい方向に働く油と、炎症を鎮める方向に働く油があります。揚げ物や加工食品、スナック菓子に多い油が増え、魚の油が減ると、体の中の火事は消えにくくなります。

ビタミンDは、免疫の働きを整える役目をもつ栄養です。日光を浴びる時間が短い子や、魚をあまり食べない子では、足りていないことがあります。

腸と皮膚は、つながっています

もうひとつ、当院が大切にしているのが腸です。

腸は、食べたものを吸収する場所であると同時に、体の守りの大きな拠点でもあります。そして腸の内側も、皮膚と同じように、薄い粘膜で外の世界と体の中を分けています。

この腸の粘膜のバリアが弱くなると、体の守りの働きが乱れやすくなり、皮膚の炎症にも関わることがあると考えられています。腸の粘膜の状態と皮膚の関係は、いまも研究が進んでいるところです。

ここで、診察室でよくお伝えしていることがあります。

牛乳と小麦は、調子が悪いときにお腹が受けとめきれなくなりやすい、代表的な食べものです。禁止ではありません。肌やお腹の調子が悪い時期に、少しだけ量を意識してみる。足し算の前に、引き算を考える。そのくらいの付き合い方です。

ただし、自己判断で食べものを抜くのは避けてください。とくに、すでに食物アレルギーと診断されているお子さんは、主治医の指示がいちばん優先です。成長期の子どもにとって、むやみな除去は、かえって必要な栄養を減らしてしまうことがあります。

こんなサインがあれば、栄養も確かめてみてください

診察室では、こういうところを確認しています。

・塗り薬で良くなっても、やめるとすぐに戻る

・季節を問わず、肌が乾燥しやすい

・口のまわりが荒れやすい、口内炎ができやすい

・鼻がつまりやすい、風邪をひきやすい

・便秘や下痢、お腹の張りがある

・揚げ物やスナック菓子が多く、魚をあまり食べない

・偏食があり、肉や魚が苦手

・疲れやすい、顔色がさえない

ひとつ、大切な線引きをお伝えします。

アトピーの原因は、栄養だけではありません。体質、汗や乾燥、ダニやほこり、ストレス、季節。いくつもの要因が重なっています。また、急に広い範囲が悪化した、じゅくじゅくして黄色いかさぶたがつく、水ぶくれが広がる、熱が出たというときは、とびひなどの感染が重なっていることがあります。栄養の話より先に、すぐに診察で確かめてください。

血液検査で、肌の「材料」を確かめる

当院が大切にしているのは、推測ではなく、確かめることです。

血液検査で、亜鉛や鉄、タンパク質が肌の材料として足りているか、ビタミンDが足りているかを確かめます。ここは、見た目からだけでは分からないところです。

ここには、二つの視点があります。ひとつは、医師の視点。症状から、調べる範囲を決めます。もうひとつは、ご家族の視点。体の土台を、もう少し広く見ておきたいという希望に合わせて、範囲を広げることもできます。

「食べもののIgG抗体を調べる検査」についても、よくご質問をいただきます。これはアレルギーを診断する検査ではありません。アレルギーの学会も、食物アレルギーの診断に使うことはすすめていません。当院では、その食べものに体がよく出会っているかを映す、参考の一つとして扱っています。結果だけで食べものを抜くことはしません。

血液検査の一つひとつの数字は、それだけでは読みきれません。いくつかの項目を並べて、はじめて意味が見えてきます。そして、もし調べるなら、食事やサプリメントを始める前がいちばん役に立ちます。

栄養の役目は、土台を上げることです

内側の土台が整ってくると、塗り薬を使う日が減っていく、肌が荒れても戻りが早くなるお子さんを、当院では見てきました。

ただ、栄養は万能ではありません。栄養を整えれば塗り薬がいらなくなる、とお約束することはできません。体質や環境まで、栄養だけで変わるわけではないからです。

当院が目指しているのは、塗り薬を「ずっと塗り続けるもの」から、「必要なときに使う道具」にしていくことです。外からのケアで火を消し、内からのケアで燃えにくい体を育てる。その両方を、肌の状態に合わせて組み合わせていきます。

どれくらいで変わるのか

皮膚は、内側から少しずつ入れ替わっていきます。材料が届いてから、肌の変化として見えてくるまでには、数か月を見てください。季節によって波もあります。

途中で、季節の変わり目に悪化することもあります。それは、うまくいっていない印ではありません。そのときは、外からのケアでしっかり鎮めます。

変化は、こんな形でやってきます。

「そういえば最近、塗り薬を使わない日が増えた」

「荒れても、前より早く落ち着くようになった」

受診されたら、何をするのか

はじめて栄養外来にお越しいただいた日は、こんな流れになります。

・問診:肌の経過、使っている塗り薬とスキンケア、食事の様子、便の様子、季節による変化までを一通りうかがいます

・診察:肌の状態と、全身、お腹を診ます

・血液検査:肌の材料(亜鉛・鉄・タンパク質)や、ビタミンDなどを合わせて読みます

・方針決め:いまのスキンケアと塗り薬はそのまま続けながら、食事の工夫と、必要なら栄養の補いを、ご家庭で続けられる形に組み立てます

いま皮膚科などで治療を受けている場合も、その治療をやめていただく必要はありません。いまの治療と並べて、内側を整えるというのが当院の考え方です。

来院前に、見ておいていただけると助かること

・肌の状態の写真(良いときと、悪いとき)

・使っている塗り薬・保湿剤の名前と、塗る頻度

・食物アレルギーの診断を受けている場合は、その内容

・食事の様子(揚げ物・スナック菓子・魚・牛乳・パンの量)

・便の回数と形

・他院での血液検査の結果があれば、そのコピー

・お薬手帳

「うちの子はどうだろう」と思われたら

良くなっては戻るをくり返していると、「何がいけないんだろう」と考えてしまうものです。けれど、毎日スキンケアを続けてきたこと自体が、すでにお子さんの肌を守ってきています。

まずは、かかりつけの先生と相談しながら進めてください。そのうえで、くり返しが続くときは、栄養の面から確かめてみることも、大切な選択肢だと思っています。

外からのケアに、内からのケアを並べる。確かめれば、次の一手が見えてきます。

合わせて読みたい関連記事

腸と栄養、そして検査について、もう少し詳しくお話ししています。

・子どもの「リーキーガット(腸もれ)」とは|腸管バリア検査でわかること(腸のバリア)

・子どもの遅延型(IgG)食物過敏とは|数日後の不調を読み解く(IgG の検査)

・子どもの栄養は「整える順番」で変わる|お腹から始める5つの土台を小児外科医が解説(整える順番)

まとめ

・スキンケアと塗り薬は、アトピー治療の土台です。いま起きている炎症は、外からのケアでしっかり鎮めます

・炎症が起きにくい体をつくるのが、食事と栄養の役割です。外と内は、対立ではなく役割の違いです

・炎症が強いときは、しっかり使って、しっかり鎮める。塗り薬を自己判断で急にやめないでください

・皮膚は体の内側でつくられています。材料(タンパク質・亜鉛・鉄・脂質)が足りないと、肌のバリアが弱くなります

・体の中の小さな炎症には、油の種類とビタミンDが関わります

・腸と皮膚はつながっています。牛乳と小麦は、調子が悪い時期に少し意識する「引き算」。ただし自己判断の除去は避けます

・IgG の検査はアレルギーの診断ではありません。参考の一つとして扱います

・急な悪化、じゅくじゅく、水ぶくれ、発熱は、先に診察で確かめます

・変化は数か月単位。目指すのは、塗り薬を「必要なときに使う道具」にしていくことです

外から守り、内から育てる。その両方がそろうと、肌は少しずつ、自分で立て直す力を取り戻していきます。

今日から、ひとつだけ

本文でいくつかお伝えしましたが、全部を一度にやる必要はありません。今週は、揚げ物やスナック菓子を1回、魚に置き換えてみてください。焼き魚、さば缶、しらすなど、手軽なもので十分です。毎日のスキンケアは、いまのまま続けてください。

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肌の材料になる食事、油の選び方、季節ごとの気をつけどころ。診察室では話しきれない内側からのケアや、「今日ひとつだけできること」を、小森こどもクリニック 栄養の公式LINEで少しずつお届けしています。何から始めればいいか迷う方は、ここから受け取ってください。

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「うちの子はどうだろう」と確かめてみたい方へ

「塗り薬で良くなっては戻る」をくり返してきたお子さんで、詳しい血液検査をしてみると、肌の材料になる栄養が足りていなかった、というケースを当院では多く経験しています。肌の土台に栄養が関わっているかどうかは、血液検査で確かめられます。当院の子どもの栄養外来(分子栄養学外来)では、肌の経過・食べ方・便の様子までうかがったうえで、いまの治療と並べて、お子さん一人ひとりに合わせて組み立てていきます。

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小児外科医 小森広嗣🩺栄養×お腹 @KomoriKodomoCL

この記事の執筆・監修者

小森こどもクリニック 院長 小森 広嗣(こもり こうじ)

小児外科専門医・指導医、医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、東京都立小児総合医療センター外科医長などを経て、小森こどもクリニックを開院。小児外科の出身として、いまは地域の中で、お腹と栄養の外来を深く追求している。

「成長の感動や喜びをお子さん・ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育てができる社会を創る」ことを自身のビジョンとし、診療と情報発信の両輪で活動している。

▶ 著書:『うんちが出ない!』(英智舎・2026年12月9日発売)

▶ 取材・講演のお問い合わせ:press@komori-kodomo.com

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