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「サプリは怪しい」と家族に言われたら|医療機関で扱うサプリと市販サプリの違いを小児外科医が解説

「サプリは怪しい」と家族に言われたら|医療機関で扱うサプリと市販サプリの違いを小児外科医が解説|小児科|栄養外来・便秘専門外来なら小森こどもクリニック|根本治療に対応

2026年10月31日

「サプリは怪しい」と家族に言われたら|医療機関で扱うサプリと市販サプリの違いを小児外科医が解説

「夫に『子どもにサプリなんて怪しい』と言われてしまって」

「祖父母から『ちゃんと食べていれば必要ない』と言われました」

「ドラッグストアで売っているものと、何が違うんですか」

栄養外来に関心を持ったご家族から、よくうかがう言葉です。子どもの口に入るものだからこそ、迷うのは当然です。家族の誰かが反対するのも、子どもを大切に思っているからこそです。

最初にお伝えしたいことがあります。

その心配は、正しい心配です。そして、その心配に答えるいちばんの鍵は、サプリの「中身」よりも、「どう使うか」にあります。

「食事から」は、当院もいちばん大切にしています

栄養の基本は、食事です。これは、当院の考えとまったく同じです。

食事で足りるなら、それがいちばん良い形です。毎日の食卓は、栄養だけでなく、家族の時間や、食べる楽しさを運んでくれます。サプリメントが、それに置き換わることはありません。

ただ、栄養外来でお会いするお子さんの中には、体にたくわえている栄養(栄養の貯金)が、すでに底をついているお子さんがいます。たとえば鉄。貯金が空になっている状態から、食事だけで満たそうとすると、とても長い時間がかかります。そのあいだも、疲れやすさや、朝の起きにくさは続きます。

そういうときに使うのが、サプリメントです。当院では、サプリメントを補助輪のようなものだと考えています。自転車に乗れるようになるまでのあいだ、支えてくれるもの。いつか外す日を目指して使うものです。

「医療用サプリ」という、法律上の区分はありません

ここで、知っておいていただきたいことがあります。

「医療用サプリメント」という言葉をよく見かけますが、法律で決められた区分ではありません。サプリメントは、薬ではなく食品の仲間です。医療機関で扱っているものも、ドラッグストアで買えるものも、この点は同じです。

ですから、「医療用だから病気が治る」ということはありません。薬のように、病気を治す力をうたうこともできません。

では、医療機関で扱うサプリと、市販のサプリは、何が違うのか。その違いは、大きく分けて3つあります。

違い① 量が、医師が調整する前提で決められている

市販のサプリメントの多くは、誰がどんなふうに飲んでも困らないように、控えめな量で作られています。不特定の人が自分の判断で飲むものなので、それは理にかなった作り方です。

一方、医療機関で扱うサプリメントの多くは、医師が検査を見ながら量を決めることを前提に作られています。1粒あたりの量が決まっていて、体格や検査の結果に合わせて、粒の数で調整できるようになっています。

量の多い・少ないそのものより、「その子に合わせて量を決められるか」が違いです。

違い② 体が使いやすい「形」になっているか

同じ「ビタミンB群」「葉酸」と書いてあっても、中身の形が違うことがあります。

ビタミンの中には、体の中で何段階かの変換を経て、ようやく使える形になるものがあります。最初から体が使いやすい形にしてあるものもあります。また、栄養素は一つだけで働くより、いくつかが組み合わさって働くことが多いので、その組み合わせ方も製品によって違います。

ラベルの名前だけでは、この違いはなかなか分かりません。ここは、医療者が製品を選ぶときに見ているところです。

違い③ 品質を、どこまで確かめているか

もうひとつは、品質の確かさです。

2026年3月、日本小児科学会が、ビタミンDのサプリメントで7歳のお子さんが入院した事例を報告しました。この事例では、医師の管理がないまま、体格に合わない量が半年近く続けられていました。さらに、同じボトルの中でも、カプセルによってビタミンDの量が2倍以上ばらついていたことが分かっています。

これは「ビタミンDが危ない」という話ではありません。量が安定していない製品を、量を決めずに、確かめないまま続けたことが重なって起きたことです。子どもは体が小さいぶん、量のずれの影響を受けやすいのです。

医療機関で扱うサプリメントは、1粒に入っている量が安定していることを、医療者が確かめたうえで選んでいます。この事例と当院の安全管理については、別の記事で詳しくまとめています(下の関連記事からどうぞ)。

いちばん大きな違いは、「使い方」です

ここまで3つの違いをお話ししました。けれど、本当に大きな違いは、製品そのものではありません。

医療機関でサプリメントを使うときは、使い方がまったく違います。

・測る:血液検査で、何が、どのくらい足りないかを確かめる

・狙う:足りないと分かったものだけを、決めた量で使う

・確かめる:数か月たったら、もう一度検査をして、量を見直す

・外す:足りてきたら、減らす・やめる

市販のサプリメントが悪いわけではありません。健康な方が、毎日の補いとして使うには、役に立つものもたくさんあります。

ただ、子どもに使うときに困りやすいのは、何が足りないか分からないまま足す/量が合っていない/順番を考えずに足す/続けても確かめない、ということです。鉄を足したらお腹が痛くなった、いろいろ足したけれど何が効いているのか分からない。こうしたご相談の多くは、製品の良し悪しより、使い方から来ています。

ご家族に話すときの、3つの言葉

家族に反対されて迷っている方へ。ご家族に話すときは、こんな言葉が助けになるかもしれません。

「薬ではなく、足りない分の補いなんだって」
サプリメントは、体にもともとある栄養の補いです。足りている分まで足すものではありません。

「検査で、足りないと分かったものだけなんだって」
なんとなく飲ませるのではなく、血液検査で確かめてから使います。

「量は医師が決めて、また検査で確かめるんだって」
飲み始めたら終わり、ではありません。決めた量で、決めた期間。そして、もう一度確かめます。

ご家族が心配しているのは、「よく分からないものを、子どもに飲ませること」です。分からないところが分かると、心配は小さくなります。受診の日に、ご家族が一緒にいらして、お話を聞いていただくのも歓迎です。

保護者の方ご自身の栄養が気になる場合は、ご家族で受診いただくこともできます。診察は1枠につきお一人ずつなので、ご予約はそれぞれお取りいただきますが、当院ではご家族をひとまとまりとして、あわせて見ていきます。

自己判断で始める前に

サプリメントは、手軽に買えるぶん、自己判断で始めやすいものです。

とくに、鉄とビタミンDは、自己判断で始めないでください。鉄は、多すぎても体の負担になり、お腹の状態によっては合わないことがあります。ビタミンDは、体にたまる性質があり、子どもは量の影響を受けやすいものです。どちらも、検査を見ながら、医師と一緒に量を決めるところです。

すでに何かを飲ませている場合も、責める話ではありません。いま飲んでいるものを、そのまま受診の日に教えてください。それを出発点に、続けるもの・やめるもの・量を見直すものを、一緒に整理します。

受診されたら、何をするのか

はじめて栄養外来にお越しいただいた日は、こんな流れになります。

・問診:困っていること、食事の様子、便の様子、いま飲んでいるサプリメントまでを一通りうかがいます

・診察:全身の状態と、お腹を診ます

・血液検査:何が、どのくらい足りないかを、いくつかの項目を合わせて読みます

・方針決め:食事の工夫を先に考え、そのうえで必要なものだけを、量と飲む日を決めて紙でお渡しします

サプリメントを使うかどうか、何を使うかは、検査の結果を見て決めます。使わないという選択も、もちろんあります。

もし調べるなら、サプリメントを始める前がいちばん役に立ちます。あとからだと、比べるもとがなくなってしまうからです。

来院前に、見ておいていただけると助かること

・いま飲んでいるサプリメントの名前と、パッケージの成分表示(写真で十分です)

・飲み始めた時期と、1日に飲んでいる量

・飲み始めてからの様子(お腹の調子・便・食欲など)

・いちばん困っていること

・他院での血液検査の結果があれば、そのコピー

・お薬手帳

「うちの子はどうだろう」と思われたら

サプリメントに迷うのは、子どもを大切に思っているからです。迷っている時間は、無駄ではありません。

まずは、かかりつけの先生と相談しながら進めてください。そのうえで、今の相談で手応えが出ないときは、栄養を専門に診ている医師に相談することも、大切な選択肢だと思っています。

お子さんのせいでも、ご家族のせいでもありません。確かめれば、何を、どれだけ、いつまで、が決まります。

合わせて読みたい関連記事

サプリメントの安全と、栄養を整える順番について、もう少し詳しくお話ししています。

・【医師解説】ビタミンDサプリは危険?小児科学会の報告と当院の安全管理体制(安全管理)

・子どもの栄養は「整える順番」で変わる|お腹から始める5つの土台を小児外科医が解説(整える順番)

・子どもの「腸活・サプリ」が単発で終わる理由|腸と栄養の”悪循環”を断つ正しい順番(続かない理由)

まとめ

・「サプリは怪しい」という心配は、正しい心配です。答えの鍵は、中身より使い方にあります

・栄養の基本は食事です。サプリメントは、栄養の貯金が底をついているときに使う補助輪。いつか外す日を目指します

・「医療用サプリ」は法律上の区分ではありません。サプリメントは食品の仲間で、病気を治す力をうたうものではありません

・医療機関で扱うサプリとの違いは、①医師が量を調整できる設計 ②体が使いやすい形 ③品質の確かさ

・本当に大きな違いは、測る → 狙う → 確かめる → 外すという使い方です

・市販のサプリが悪いわけではありません。子どもで困りやすいのは、分からないまま足す・量が合わない・確かめないこと

・鉄とビタミンDは、自己判断で始めないでください。いま飲んでいるものは、受診の日にそのまま教えてください

何を、どれだけ、いつまで。それが分かれば、サプリメントは「よく分からないもの」から、「家族で納得して使える道具」に変わります。

今日から、ひとつだけ

本文でいくつかお伝えしましたが、全部を一度にやる必要はありません。もしいま、お子さんに飲ませているサプリメントがあれば、パッケージの成分表示を、スマートフォンで1枚撮っておいてください。受診のときにも、ご家族と話すときにも、その1枚がいちばん役に立ちます。

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「うちの子はどうだろう」と確かめてみたい方へ

「サプリを飲ませているけれど、合っているのか分からない」「始める前に確かめたい」というご相談は、当院の栄養外来でよくうかがいます。何が足りていて、何が足りていないかは、血液検査で確かめられます。当院の子どもの栄養外来(分子栄養学外来)では、いま飲んでいるもの・食べ方・便の様子までうかがったうえで、検査をもとにお子さん一人ひとりに合わせて組み立てていきます。

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小児外科医 小森広嗣🩺栄養×お腹 @KomoriKodomoCL

この記事の執筆・監修者

小森こどもクリニック 院長 小森 広嗣(こもり こうじ)

小児外科専門医・指導医、医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、東京都立小児総合医療センター外科医長などを経て、小森こどもクリニックを開院。小児外科の出身として、いまは地域の中で、お腹と栄養の外来を深く追求している。

「成長の感動や喜びをお子さん・ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育てができる社会を創る」ことを自身のビジョンとし、診療と情報発信の両輪で活動している。

▶ 著書:『うんちが出ない!』(英智舎・2026年12月9日発売)

▶ 取材・講演のお問い合わせ:press@komori-kodomo.com

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