ヘルパンギーナは、6月ごろから夏にかけて流行する、乳幼児に多く見られる三大夏かぜの一種です。ウイルスの中でも主に「コクサッキーウイルスA群」と呼ばれるウイルスが原因です。原因となるウイルスの型がいつくか存在するため、何度もかかってしまうこともあります。稀ですが、大人も発症することがあります。
ヘルパンギーナの主な感染経路は、咳やくしゃみなどの際に出る飛沫によって感染する飛沫感染や、口に入れたり、舐めたりしてだ液や鼻水がついたおもちゃの貸し借りなど、手が触れることによって起こる接触感染があります。
まれに無菌性髄膜炎を合併することがあります。症状は頭痛や嘔吐です。お子さんが、ひどく不機嫌になったり、ぐったりしているときは受診しましょう。
症状
ヘルパンギーナの主な症状は38〜40度の高熱が1〜3日程度続きます。また、同時にのどが赤く腫れて小さな水ぶくれがたくさんできます。水ぶくれは痛みを伴うこともあるため、のどが痛くて食べることができないこともあります。水ぶくれは2〜3日でつぶれて黄色い潰瘍になり、4〜6日間で治ります。
治療
ヘルパンギーナはウイルス性の病気のため、根本的に治す治療法はありません。口の中の痛みや発熱などの症状を和らげる対症療法が中心となります。口内炎などの痛みがひどい場合は、解熱鎮痛剤を処方します。水分や多少の食事が取れるように症状を緩和してあげることも大切な治療です。
ご注意いただきたいこと
のどに痛みを伴うため、飲んだり食べたりすることを嫌がることがあります。そのため脱水症状には注意しましょう。飲み物はオレンジジュースなどのような刺激物は避け、のどごしの良い少し冷たい、麦茶や牛乳、冷たいスープなどの飲みものがおすすめです。食べものは、刺激が少なくかまずに飲み込めるゼリーやプリン、豆腐や冷めたおじやなどにしましょう。熱があるときは、エアコンを上手に活用し、快適な室温・湿度の部屋で寝かせるようにしましょう。熱がなく元気なら、入浴していただいてもかまいません。
ヘルパンギーナは、症状が治まったあと数週間は、便にウイルスが含まれています。トイレやおむつを交換した後などは、しっかりと手を洗うようにしましょう。使用済みのおむつは密閉して捨てましょう。
登園・登校の目安
熱がなく、口の中の水ぶくれや潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれるようであれば登園・登校は可能です。
熱があるときは医師の指示に従いましょう。