これって便秘?|小森こどもクリニックのこどもの便秘専門サイト|国分寺市の小児科クリニック

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これって便秘?

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どういう状態であれ、「便が出ていれば問題ない」と思われている方は多いと思います。

しかし、そこにこそ問題が隠れていることがあります。うんちが出ていても、様々な排便に関するトラブルが、実は便秘が原因で起きていることがあります。

実は、10人に1人のこどもたちが便秘に悩まされているとも言われています。

 

ここでは、当院でよくいただくご相談内容から便秘の症状や原因をわかりやすくご説明しています。

ご家庭ではなかなか判断できないこともあるかと思いますので、お子さんの排便のことで気になることがありましたら当院へご相談ください。

こどもの便秘

そもそも便秘の目安はある?

こどもの便秘とは、週に2回以下の排便(3、4日に1回のペース)、もしくは“苦痛を伴う排便がある”状態のことです。

一般的な平均排便回数

  • 1歳まで:1日2~3回
  • 1歳から3歳:1日1.5回
  • 3歳以上:1日1回

“苦痛を伴う排便”とは、以下のような症状を指します。

  • 排便をする際の痛みや出血
  • お腹の苦しみ
  • 排便を断念する(排便に時間がかかる)
  • 便が漏れる(パンツが汚れる)
  • トイレトレーニング(排便、排尿)が進まない
  • 不機嫌、食欲の低下

しかし、実際には個人差がとても大きいので、実は便秘といっても一言では説明出来ないと考えています。排便に関して、何らかのお悩みをお持ちであれば「便秘」といっても過言ではないのです。
そのため便秘の治療では、お子さんやご家族にとって「今何が困っていて、そして、今後どのような問題が予想されるのか」を含めて、総合的に判断していくことが必要なんです。

こどもの便秘の症状は?

うんちが出ないことはもちろん、1日に何回も排便があっても体の中にうんちが残っていることがあります。便秘というと硬い便をイメージするかもしれませんが、たとえ便が軟らかくても、溜まって出しにくくなることもあります。便の硬さは、目安のひとつとして捉えておくのがよいでしょう。体格や性格に個人差があるように、便秘の症状にも個人差があるのです。
また、排便時に以下のような様子があれば便秘症の可能性があります。

排便時の様子

  • 排便に時間がかかる
  • 出す時に苦しがっている
  • 痛がって泣いてしまう
  • 排便を断念してしまう
  • 特定の姿勢や場所でないと出ない
  • 肛門から血が出てしまう
  • 便が漏れてしまう

このような症状がある場合は、クリニックや病院を受診し腹部エコーで直腸の様子を見て判断することになります。

便秘の検査についてはこちらで詳しく説明しています。

そもそもどういう状態が正常なの?

正常な排便を理解していただくために、うんちが作られる仕組みから順番に説明しますね。

うんちが作られる仕組み

食べたものは胃から小腸に流れて、そこで消化・吸収されます。小腸で消化された後の食べ物は液状になっており、それが右の下腹部から大腸に入っていきます。大腸では消化・吸収された後の食べ物が、右下腹部から右上、左上、そして下腹部へとまわっていきながら徐々に水分が吸収されて老廃物だけの塊、つまり便ができるのです。

うんちが出る(排便)の仕組み

大腸でつくられた便は、最終到着地である直腸に溜まります。直腸は便を貯める、貯蔵庫の役割をしています。通常直腸は細い管で、便がきて直腸が押し広げられることにより「あ!うんちが来た」と感じ脳に信号を送ることで便意を催します。そして脳で排便してもいい状況かどうかを判断し、肛門緩め排便します。

排便をコントロールできるようになるまで

乳児期までの赤ちゃんは、この直腸と脳の連携ができていないために、直腸にうんちが溜まればそのまま排便してしまいますが、毎日の排便練習の中で段々と「これがうんちをするということか」と学習していきます。そしておよそ4歳前後になると自分の意思でうんちができるようになるのです。

赤ちゃんの便秘

赤ちゃんのうんちの回数が少なくて心配…これって便秘?

新生児期から乳児期にかけては、1日の排便回数の個人差はとても大きいです。
生まれて直ぐから2、3日に1回の排便ペースのお子さんもいます。新生児期には1日数回以上の排便があり、快便と思っていたら、生後2、3か月になり急に排便回数が減ってくるということも、比較的よく経験します。
結論からお伝えすると、ひとまずは、赤ちゃんの機嫌もミルク飲みもよくて、体重の増加が順調であれば、一過性のことが多いので、心配しなくてよいことがほとんどです。
心配な時はお気軽に当院やかかりつけの医師にご相談ください。

受診のタイミング

結局、病院を受診した方がいいの?

便秘を放置することで、成人以降もずっと便秘に悩みつづけることになる可能性もあるため、早いうちに適切な対処をしていくことがとても大切です
排便の期間が3~4日以上空く、排便をするのがつらいなど、目立った便秘の症状がない場合でも、排便の様子に不安を感じるようであれば、悩まずに受診してみましょう。受診の前に、便秘の診療に対応しているかをホームページなどで確認しておくと安心です。
もし診察の結果治療の必要はないと言われたとしても、ドクターから、どんな症状があらわれたら再度受診をする必要があるかを教えてもらうことで、こどもの状態にアンテナを張っておけるようになります。

便秘の悪循環

乳児期から幼児期にかけて、うんちは泥状から固形に変化し、便回数も1日に数回あったのが12回に減っていきます。その過程で、上手にうんちを出しきれていないまま、直腸内にうんちの塊りがあると、そのうんちは水分が吸収されてとても硬いものになってしまいます。

 

うんちができる仕組みについてはこちらで詳しく説明しています

 

この固くなったうんちを排泄するには、強いいきみが必要で、こどもの柔らかい皮膚は簡単に切れてしまいます(裂肛)。出血自体はすぐに止まるためあまり心配いりませんが、切れると痛いためにその後のうんちを我慢してしまいます。これが慢性便秘の引き金となってしまうのです。

 

うんちがしたいのに痛いから意識的あるいは無意識的に我慢してしまう。

それを繰り返すうちに直腸には常にうんちが溜り(「ため癖」という状態)、直腸のセンサーが麻痺し、「便意」を感じることができなくなってしまいます。また、慢性便秘の症状で常に便がお尻についているということがありますが、これは直腸に溜まりきらないうんちが少しずつ漏れ出てしまっているのです。

便秘の悪循環

便秘になりやすい時期

便秘になりやすい時期はある?

便秘はは以下の4つのタイミングに起こりやすいと言われています。

1.乳児期

母乳からミルクへ移行する時
離乳食を開始するとき

2.幼児期

トイレトレーニング

3.学童期

小学校への入学時

乳児期は腸の発達や離乳食の開始が負荷となることで便秘になりやすくなります。
幼児期ではトイレトレーニングが負荷となり、うんちを我慢してしまうことが原因と考えられています。
さらに、小学校へ通い始めるタイミングでも、新しい生活環境でのストレスや、学校でトイレに行き辛く、我慢してしまうことが原因で便秘が始まることも少なくありません。

また、5歳以上で便秘のこどもの約25%は大人になっても便秘が持続するという報告もあるため、お子さんの未来のためにも便秘は早期に適切な対応が必要なのです。

便秘の原因

便秘の原因は食生活だけではない?

こどもの便秘でも、大人と同様に食生活の乱れや水分不足などが関係していることもありますが、こども特有の問題が原因となっている場合もあります。
私たちは、便意を感じるとお腹に力を入れていきみ、肛門を開いて便を出しますが、小さなこどもはこうした排便機能が未発達で、うまく便を出せないことがあるのです。排便機能は小学校高学年ごろになってようやく、大人並みになるといわれています。
この排便機能が未発達な2~3歳のころに便がうまく出せずにつらい思いをすると、“便秘の悪循環”が起きてしまうのです。

こどももストレスで便秘になる?

こどもの便秘においても、大人のようにストレスが原因となることがあります。
進学・進級などのライフイベントが頻繁にあるこどもは、さまざまなストレスがかかりやすい状態です。めまぐるしい環境の変化にともなって排便リズムが乱れてしまい、もともとの便秘がさらに悪化したり、新たに便秘になったりしてしまう場合もあるでしょう。

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