2019年7月18日

監修:小児外科専門医 小森 広嗣(小森こどもクリニック院長)/最終更新:2026年9月30日
この記事のポイント
・ 便秘の治療は長いトンネルのように感じることがあります。でも、変化はある日突然やってきます
・ その変化は、ご家族が続けてきた毎日の積み重ねがあったからこそ訪れるものです
・ 目に見えにくい小さな前進に気づくことが、続ける力になります
この記事は、便秘外来で出会ったあるお子さんとご家族の、うれしい一日の記録です。ご家族の了解をいただいて、掲載しています。
診察室で、今日うれしかったこと
小児病院(非常勤で勤務)の外来での出来事です。
この子とは、生まれてから4年間ずっと一緒に治療をしてきたのですが、いつもずっと、大泣きして、診察がうまくできなくて、どうしたらいいかな、、とずっと心配してみていたお子さんでした。
突然の変化が訪れました!
今日、初めて、笑顔、いっぱいくれました!!
お腹を”もしもし”させてねとお願いすると、ちゃんと見せてくれました。
この時は、くすぐったい気持ちを隠しきれずの笑い声と、お腹をみせることができた自信の気持ちが、しっかり伝わってきて心からうれしく思いました。本当に、涙がでるほど嬉しかったです!
お子さんたちの成長を見守ることは、仕事の日常ですが、このような瞬間は、何度立ち会っても、感動ですし、小児科医冥利(役得)に尽きると感じます。
この子は、鎖肛の治療をしてきたのですが、なかなか治療の軌道に乗らず、浣腸による排便管理を続けても、便のつまりが取れず、正直苦戦しておりました。
ご家族は、イヤイヤ期に突入し、更に治療も苦戦していましたが、懸命に治療を続けられました。
最近になり、グリセリン浣腸の治療が、ようやく順調に進みはじめ、排便コントロールが改善してきていたところでした。
★ご家族の思いが伝われば、ちゃんと結果はでるものです。
4歳になり、突然、初めて、笑顔、自信でいっぱいの様子をみせてくれ、これまでの懸命な取り組みが実を結んだ瞬間です。今日は、大きな変化、成長を披露してくれました。本当に素晴らしい!の一言です。
トンネルの中で、暗闇はいつまで続くのだろう、、と思っていても、変化はいつも突然くるものなのですよね。
何はともあれ、ご家族の多大なる頑張りに、立派な花が咲きました。これまで本当に大変な取り組みだったと思います。
お子さんたちの、変化と成長を目の当たりにすると感動しますし、変化、成長の大切さを改めて学ばせていただきました。
このような現場に立ち会わせていただき、感謝いたします。ありがとうございました。
もっと花を咲かせてくれることと思いますし、私も変化と成長を続ける努力をし、もっと良くなるよう、治療を進めさせていただけたら幸いです。
実りは、水をやり続けた人にだけ訪れる
このお子さんのように、便秘の練習では、変化が前触れもなく訪れることがよくあります。ただ、その変化は本当に「突然」なのではありません。農場の実りは、ある日突然やってくる。でもそれは、毎日水をやり続けた人にだけ訪れるものです。
目に見えない日々のあいだにも、体の中では、出す力や感じる力が少しずつ積み上がっています。イヤイヤ期で練習が思うように進まない時期も、つまりがなかなか取れずに苦戦する時期も、ご家族が続けてきた毎日は、確実に土台になっています。
見えにくい前進に気づくために
変化を待つあいだ、小さな前進に気づけると、続ける力になります。たとえば——
・ 浣腸のときに、泣く時間が少し短くなった
・ 排便日記の記録が、毎日そろってきた
・ 「出た」と自分から教えてくれた
・ 診察で、お腹を見せてくれた
どれも、ささやかなことかもしれません。けれど、そのひとつひとつが、次の大きな変化の前ぶれです。気づいたときは、ぜひお子さんと一緒に喜んでください。
トンネルの中にいるご家族へ
暗いトンネルの中では、出口がどこにあるのか見えなくなります。だからこそ、ひとりで抱え込まず、伴走する人がそばにいることが大切です。当院では、エコーや排便の記録から、ご家族には見えにくい前進を一緒に確かめ、「順調に進んでいます」とお伝えすることを大切にしています。
これまで続けてきた日々が、無駄になることはありません。焦らず、一緒に次の変化を待ちましょう。
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「うちの子はどうだろう」と確かめてみたい方へ
「いつまで続くのか分からない」「がんばっているのに変化が見えない」ときは、一人で抱え込まずにご相談ください。当院の便秘外来では、年間のべ約5,000人のお子さんの排便の悩みに向き合ってきた小児外科専門医が、エコーや排便の記録から「見えにくい前進」を一緒に確かめ、この先の見通しをお伝えします。遠方の方の受診の窓口も、下のページにまとめています。
ご予約は、当院ホームページの予約システム(デジスマ診療アプリ)から承っています。
すでに通院中の方へ:小さな変化に気づいたら、どんなことでも次の診察で教えてください。一緒に喜び、次の一歩につなげます。
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院長の本|『うんちが出ない!』(2026年12月9日発売)

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小児外科医 小森広嗣🩺栄養×お腹 @KomoriKodomoCL
この記事の執筆・監修者
小森こどもクリニック 院長 小森 広嗣(こもり こうじ)
小児外科専門医・指導医、医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、東京都立小児総合医療センター外科医長などを経て、小森こどもクリニックを開院。小児外科の出身として、いまは地域の中で、お腹と栄養の外来を深く追求している。
「成長の感動や喜びをお子さん・ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育てができる社会を創る」ことを自身のビジョンとし、診療と情報発信の両輪で活動している。
▶ 著書:『うんちが出ない!』(英智舎・2026年12月9日発売)
▶ 取材・講演のお問い合わせ:press@komori-kodomo.com