クリニックブログ 国分寺市国分寺駅近くの小児科 小森こどもクリニック

クリニックブログ 国分寺市の小児科 小森こどもクリニック

LINE
クリニックブログ
予約受付
よくある症状と病気

クリニックブログ
国分寺市国分寺駅近くの小児科 小森こどもクリニック

クリニックブログ 国分寺市の小児科 小森こどもクリニック

MENU
子供の笑顔

クリニックブログ

熱中症について

★熱中症とは

熱中症は、暑熱(高温多湿)な中で、体温調整がとれなくなり体に熱が「こもってしまう」ことで発生します。

★熱中症は体に熱が過度に「こもってしまう」状態とは

通常は、発汗や皮膚からの熱の放散などによる体温の自律調整機能により体温の調整が働いています。
過度な熱暑環境では、発汗や皮膚からの熱の放散などによる体温の調整機能が追いつかず熱を放散できなくなり、体に熱をためこんでしまう(高体温)ことになります。

★高体温(熱がこもる)になると体はどうなるのでしょうか?

1.過度な発汗、熱放熱により、体内の水分や電解質(ナトリウムやカリウム)が欠乏した状態
2.高体温そのものによる臓器障害
により熱中症の症状が発生します。

1.体内の水分や電解質異常で起こること

汗をかくと身体の水分が減っていきます。いわゆる脱水状態により、各臓器への血液のめぐりが悪くなること、血液内の電解質が乱れることで、体の調子が悪くなっていきます。

2.高体温そのものによる臓器障害とは
~熱中症と風邪の発熱の違いについて~

<熱中症の発熱>
熱中症の高体温では体温調節機能が失われているために、脳の設定に関係なく熱が上がってしまいます。重症化した熱中症では、汗をかくことができない状態に陥り、体温が下がらないケースもあります。42℃を超える高熱を生じ、生命に危険がおよぶことも起こりえます。脳などの重要な臓器が、熱によるダメージを直接受けることになります。

<風邪の発熱>
風邪などによる発熱は、ウイルスを攻撃するために、体が自ら意図して体温を上げます脳が設定した以上の体温にまで上昇することは通常ありませんし、ウイルスを攻撃し終わると、上昇していた体温を下げるために発汗が見られます。この理屈から風邪による発熱の場合には脳などの臓器がダメージを受けることはありません

★熱中症が発生しやすい条件

熱中症は、気温などの環境条件だけではなく、体調や暑さに対する慣れなども影響します。気温がそれほど高くない日でも、湿度が高い、風が弱い日や、体が暑さに慣れていないときなどは特に注意が必要です。

★熱中症にならないようにまずは対策

水分補給と体を冷やす(暑さを避ける)ことが大切です。

1.風通しの良い日陰や、冷房が効いた場所に移動する
扇風機やエアコンを使って温度調整も有効です。室温28度以下、相対湿度60%以下が目安です。
2.衣服をゆるめて、体を楽にする
3.露出した肌に水をかけたり、うちわであおぐ、氷で首や脇の下、足の付根などを冷やす。
4.飲水ができるときは、水分補給をする。
5.意識がない、反応がおかしいときは、救急車を呼びましょう。

★小さいお子さんでの注意点

お子さんは、汗腺が未熟で、体温調整機能がまだ十分に発達していません。気温によって洋服を調整しましょう。晴れた日は、地面に近いほど気温が高くなるため、身長のひくいお子さんや、ベビーカーに乗っている幼児では
注意が必要です。車内への置き去りは、短時間でも危険です。

★熱中症の診断は?早期発見、早期治療を行いましょう

熱中症は、早期に発見し、治療をしなければ重症化する場合もあることから、近年では診断基準に変更が加えられています(熱中症診療ガイドライン2015)。
具体的には、暑熱環境に「いる」、もしくは「いた」後の体調不良はすべて熱中症の可能性はあると考えて対応することが必要で、安全であると言えます。
「なんかだるそう」にしているという様子も熱中症を疑う重要なサインの一つです。

★熱中症を疑う症状
<初期症状>
・強い口渇感
・めまいや顔のほてり
・体のだるさ
・立ちくらみ
・生あくび
・頭痛
・吐き気や嘔吐
・発熱(体温が高くなる)
・多量の発汗、あるいは、全く汗をかいていない
・元気がない
・筋肉痛や筋肉のけいれん
<重度の症状>
・呼びかけに反応しない
・目の焦点があっていない
・けいれん
・高体温>40度

★熱中症は疑ったら早急に対応することが大切です

暑い環境にいたあとに、これらの症状が当てはまる場合には、また、他の原因が見当たらない場合には、熱中症と診断されます。
軽くみえても、一つでも当てはまる場合には、早急に対応を開始することが大切です。
「熱中症かも」は「熱中症です」と考え、早急に対応するべきです。
診断を待つより、疑ったら早急に対策を始めましょう。
まずは涼しい場所へ移動し、水分補給と冷却を始めましょう。

 

院長 小森 広嗣
記事監修
院長 小森 広嗣
(こもり こうじ)

慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士

小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。

詳しい医師紹介を見る  よくある症状と病気一覧