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赤ちゃん、子どもの感染症:抗生物質(こうせいぶっしつ)はどういうときに飲むのでしょうか?

  • 公開:2018年4月10日
  • 更新:2018年4月13日
  • 感染症

抗生物質(こうせいぶっしつ)のお話

★細菌などによる病気に効きます

抗生物質は細菌などによる病気を早く治したり、時には重症な病気から命を救ってくれる薬です。このためには、診察や検査を行い、抗生物質が必要かどうかを判断することが必要です。
また、熱があると抗生物質(こうせいぶっしつ)を飲んだほうが早く治ると思われている方もいると思いますが、熱に抗生物質がきくわけではありません。

◎抗生剤が適応となるような感染症はどのようなものがあるのでしょうか?

喉が赤くなり、膿(うみ)がつくような溶連菌などによる化膿性の咽頭炎・扁桃炎のとき。細菌による気管支炎・肺炎、また初期にはウイルスによるかぜであったものが、うまく痰がだせずに肺や気管支にたまり、そこに細菌感染が併発する(二次感染)でおこる肺炎・気管支炎などが挙げられます。
また、小さなお子さん、赤ちゃんの場合には、細菌の感染源となる場所が見当たらなくても、尿道から感染する尿路感染症や、他にも重篤なものとして血液中に細菌が入り込む場合(菌血症)や髄膜炎もあります。これは注意が必要で、このような場合には、急激に悪くなり、重症化することがあります。機嫌が悪い、ぐったりして反応が悪い、顔色が悪いなど、全身状態が良くない場合には、このようなことも考えられますので、早急に医療機関を受診してください。

<細菌による病気>
溶連菌性咽頭炎、細菌性肺炎、マイコプラズマ肺炎、百日ぜき、細菌性腸炎、
尿路感染症、急性中耳炎、急性副鼻腔炎、細菌性髄膜炎、とびひ、など。

★ウイルスには効きません

ふつうの「かぜ」はウイルスが原因なので抗生物質は効きません。

<ウイルスによる病気>
かぜ症候群、インフルエンザ、ウイルス性胃腸炎、突発性発疹、風疹、おたふくかぜ、はしか、水ぼうそう、手足口病、ヘルパンギーナ、アデノウイルス感染症、プール熱、など

★抗生物質をもらったら

最後まできちんと飲みきりましょう。症状がよくなったから、熱が下がったからといって、途中でやめないようにしましょう。抗生物質の効果が出てくるには通常は2、3日はかかります。それから、抗生物質をとっておいて次の病気のときにとりあえず飲ませる、というのが一番よくありません。病気のサインを中途半端に消してしまうため正しい診断ができなくなり、病気をかえってこじらせてしまうことがあります。

★抗生剤は予防では使いませんし、長期にも使いません。

ふつうの「かぜ」のときに、肺炎や中耳炎を予防するために抗生物質を飲むというのはよくありません。効果がないばかりか体の中の菌のバランスがこわれたり、耐性菌が出てきたりして、かえって体に害になることがあります。

★抗生物質の使い方の難しさについて

現場の中では、色々な理由で熱を出し、多くはウイルス感染症がほとんどです。しかし、お子さんの中では、細菌感染なのかウイルス感染なのか判断が難しい場合もあります。細菌とウイルスが同時に感染をきたしていることもあり、厳密に区別が難しい場合もあるのが事実です
大切なことは、これまでの経過を分析し、身体所見や検査を繰り返しおこない診断をつけていくことです。その上で、その時のお子さんの状態を総合的に判断し、抗生剤の投与のメリットとデメリットを照らし合わせ、抗生物質の適応があるかどうかを判断していくことです。
できるだけ無駄な投薬を避け、かといって、必要なタイミングを逃さないようにしていくこと医療者の役割です。

院長 小森 広嗣
記事監修
院長 小森 広嗣
(こもり こうじ)

慶應義塾大学医学部卒業
小児外科学会専門医、小児外科指導医、医学博士

小森こどもクリニックでは、成長の感動や喜びをお子さん ご家族と分かち合い、楽しく安心して子育ができる社会を創ることをビジョンに活動しています。

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